2023 Fiscal Year Annual Research Report
The development of a drug for the primary prevention of hereditary breast and ovarian cancer
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20K18906
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
小野 寿子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (50827326)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 遺伝性乳がん卵巣がん症候群 / p21 / BRCA / p53 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度まで行ってきたp21発現上昇スクリーニング実験の結果、未発症HBOCの方の予防薬候補として、トポイソメラーゼ阻害剤TeniposideとCamptotheci、ニューモシスチス肺炎の治療薬Pentamidine isethionateと抗リウマチ薬Auranofinの4つがあげられた。近年の報告(Communications Biology 2020;3:578)からBRCAのtwo hitが起こる際にp53変異も起こることが示されており、やはりp53の下流のp21の発現を上昇させながらもBRCAの発現を低下させない薬剤が好ましいと考え、再現性の結果などからもっとも有効な予防薬としてはTeniposideとCamptotheciであると考えられた。当初の予定では、In Cell Analyzerを用いて微細な毒性を高感度かつ定量的に検証する予定であったが、候補薬がいずれもがんの治療薬としての有効性は確立されて、副作用についても知られているため、予防薬としてがん未発症者に対してこれらの抗癌剤を使用するのは現実的ではないと考えられた。 続いて、スクリーニングにおいて2次予防薬として確立しているPARP阻害剤olaparibもp21を上げる薬剤であることが見出されたことから、p21の発現を増強し、olaparibと併用効果のある薬剤を検討した結果、分子標的薬、降圧薬(Ca blocker)、抗菌薬2つの4つがあげられた。併用効果におけるp21の上乗せがあるかという観点から分子標的薬Xがもっとも有効な併用薬の候補と考え、他の乳癌セルラインにおける併用効果を検討した。その結果、p21の上乗せ効果を認めるものの併用効果のphenotypeとしてG2/M期arrest、apoptosisとセルラインによって異なることが判明し、現在、分子の動きについて検討中である。
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