2020 Fiscal Year Research-status Report
市中のヒトにおける薬剤耐性菌/耐性遺伝子の浸潤実態の解明と伝播リスクの評価
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20K18925
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
福田 昭 酪農学園大学, 獣医学群, 助教 (90827320)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 耐性菌 / パンデミッククローン |
Outline of Annual Research Achievements |
医療環境での薬剤耐性菌の出現・拡散に対し院内感染制御・対策が進められ、一部の耐性菌で効果が認められているが、グラム陰性桿菌における耐性割合は増加傾向にある。一因としてグラム陰性桿菌における複数の抗菌薬に耐性を示す世界的な多剤耐性パンデミッククローンの病院内外での拡散と病院外の市中のヒトが保有する薬剤耐性菌の院内への持ち込みが示唆されている。本研究では、多剤耐性パンデミッククローンを含む耐性菌/耐性遺伝子の市中のヒトでの浸潤実態・伝播リスクを検討することを目的とする。市中のヒトの腸管内における耐性菌/耐性遺伝子の占有率(濃度)・性状を明らかにし、浸潤実態を解明する。更に、市中ー病院間の伝播を究明するため、市中と病院分離株の分子疫学的解析を行い、院内外の耐性菌/耐性遺伝子の動態を解明する。これらのデータから、市中における耐性菌の浸潤実態に加え、維持・伝播のリスクを明確化し、院内外における耐性菌制御に役立つ知見を得る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
結果の公表に加え、研究に必要なサンプル・菌株の準備が概ね予定通り進んでいる。今後、実際にデータを取っていく段階で新たな結果が得られる状況になっている。 ① 市中の健常者における耐性菌・パンデミッククローンの保有状況について明らかにし、国際紙(International Journal of antimicrobial agents)へ受理された。 ② 市中のヒトが保有する耐性菌の占有率と薬剤耐性遺伝子の保有量については、順次実施中である。耐性菌の定量・分離を終え、分離株の性状解析を進めている。耐性遺伝子の定量は計測系のセットアップが概ね終わったので、順次測定していく予定である。 ③薬剤耐性大腸菌・パンデミッククローン株については次世代シーケンス解析に回す菌株の選定を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
分離菌株の性状解析を行い、次世代シーケンスを用いデータを取得する。 また、定量系についてもセットアップできたので、順次測定して整理をする。
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Causes of Carryover |
2020年4月に所属が変更となった。合わせてコロナウイルス感染症への対応に伴い、研究に滞りがあった。また、コロナウイルスのため、学会・打ち合わせのための出張が困難となった。そのため、条件設計、論文の作成を前倒して行ったため、物品の購入が少なかった。 2021年度は、条件設計などが出来たので、計測系をまとめて行う予定である。
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