2022 Fiscal Year Research-status Report
全ゲノム情報から新興病原細菌-アルジェンテウス菌の病原性ポテンシャルを評価する
Project/Area Number |
20K18927
|
Research Institution | Osaka Institute of Public Health |
Principal Investigator |
若林 友騎 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 微生物部, 研究員 (70783835)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | Staphylococcus argenteus / 全ゲノム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
Staphylococcus argenteusは2015年に新種登録された新興病原細菌であり、皮膚軟部組織感染症や敗血症の起因菌である。臨床検体由来株の解析は国内外で相次いで報告されている一方で、食品や健康人手指といった非臨床検体由来株の解析は進んでいない。本研究では、保有する食品・健康人手指・環境由来株の全ゲノム配列を解読し、ゲノム情報から本菌の病原性の評価を試みる。 昨年度までの研究で、S. argenteusは、遺伝的に近縁な菌種であるS. aureusと比較して、一部の表現型で差が認められることが明らかになった。本年度は、S. argenteusの遺伝的特性を明確にするために、比較対照として、S. aureusの全ゲノム配列を解読した。これまでに健康人手指や調理環境由来の50株について解読を完了した。また、文献情報等を整理し、パンゲノム解析に使用する病原因子遺伝子データベースの整備を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
比較対照となるS. aureusゲノムの解読は概ね完了した。一方でパンゲノム解析については、研究所の老朽化に伴う建て替えにより、一時的に研究を停止せざるを得なかったため、進捗に遅れが生じている。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでに解読したゲノム情報を使用して、S. argenteusのパンゲノム解析を実施する。
|
Causes of Carryover |
研究所の老朽化に伴う建て替えがあったため、一時的に研究を停止せざるを得なかった。そのため、研究の遂行が当初の予定より遅れており、次年度使用額が発生した。進捗が遅れている研究については次年度に実施予定である。
|