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2020 Fiscal Year Research-status Report

定期接種化前後でみたロタウイルスワクチンの有効性の変遷

Research Project

Project/Area Number 20K18936
Research InstitutionSaga University

Principal Investigator

荒木 薫  佐賀大学, 保健管理センター, 助教 (20727995)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
Keywordsロタウイルス / ロタウイルスワクチン / ロタウイルス胃腸炎 / ワクチン有効性 / test-negative design / 症例対照研究
Outline of Annual Research Achievements

ロタウイルスは5歳未満の乳幼児における急性胃腸炎の原因病原体の約40%を占めるとされる。わが国では2011年にワクチンが承認され、2020年10月より定期接種の対象となった。本研究の目的は、ロタウイルスワクチンについて2018,2019年、2021,2022年それぞれの流行期に2か月以上6歳未満の乳幼児を対象に症例対照研究を行い、定期接種化前後各2シーズンのワクチン有効性の推移を明らかにすることである。
2020年は、2019シーズンに採取したロタウイルス迅速診断陽性者の糞便検体を、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)法を用いてロタウイルス遺伝子を増幅し、ダイレクトシークエンス法によりGP遺伝子型の塩基配列を決定した。
2018,2019年の登録患者は症例317名、対照1352名であり、症例群と対照群を比較したところ、症例群は対照群に比べて、出生年月が早く集団保育されている時の割合が高かった。ロタウイルス胃腸炎に対するワクチン接種のオッズ比は0.44(95%CI:0.34-0.58)であり、これらより算出されたワクチンの有効性は56.1%(95%CI:42.5-66.5)であった。また、調査期間中の流行遺伝子は、G9P[8]及びウマ様G3P[8]株であり、いずれもワクチン導入後より認められる遺伝子型であった。原因遺伝子型別で罹患年齢、臨床症状や重症度に差は見られなかったが、遺伝子型別にみた接種のオッズ比は、G9P[8]に対し0.46(95%CI:0.29-0.72)、ウマ様G3P[8]に対し0.20(95%CI:0.09-0.41)であった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2020年度はこれまで集積したロタウイルス胃腸炎患者の遺伝子型を決定し、地理的流行および遺伝子ごとのワクチン有効性を明らかにすることができた。ワクチン導入前と流行遺伝子は異なっており、ワクチン導入及び定期接種による接種率上昇が、ワクチン胃腸炎の疫学に与える影響を検討するために引き続き解析を行う。

Strategy for Future Research Activity

2021年、2022年は、2018,2019シーズンと同じ施設、同じ手法で調査を行い、有効性の比較を行う。また症例の遺伝子が解析を行い、同地域内の遺伝子型の変遷および遺伝子型別の有効性を明らかとする。COVID-19の流行で各個人の保健行動が以前より高まっており、ロタウイルスの流行が以前ほど見られない可能性が高いが、その際はこれまでに得られた成果について論文化し報告する。

Causes of Carryover

COVID-19流行により、海外渡航ができず学会参加費・旅費が不要となったため。また、英語論文についての校正費を予定していたが2020年度松までに投稿準備が完了しなかったため、計上しなかった。
2021年度は英語論文の英文校正費および国内外の学会参加費について支出予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 症例対照研究によるロタウイルスワクチンの有効性評価 2018,2019シーズン2020

    • Author(s)
      荒木薫
    • Organizer
      第24回日本ワクチン学会学術集会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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