2020 Fiscal Year Research-status Report
Access to Chagas disease treatment in Japan
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20K18937
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
吉岡 浩太 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (80750041)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | シャーガス病 / 医薬品アクセス / 在日外国人 / 日本 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度に開始した3年の研究計画のうち、初年度が終了し、概ね順調に進展している。初年度計画では、関係者のインタビューを一通り終える予定としていたが、COVID-19の影響により国内移動や対面インタビューに制限が加わったため、一部で遅延が生じ、2年目となる2021年度も関係者のインタビューを継続する。具体的には、初年度では計12名(うち、研究者3名、医療者7名、行政関係1名、非政府組織1名)のインタビューをすることができ、日本におけるシャーガス病治療の現状について情報を集めることができた。加えて、省庁や学会のウェブサイトなどからも情報収集した。遅延が生じているのは、主にシャーガス病感染者からの情報収集である。現状では、オンラインでラテン系コミュニティーなどに広く呼びかけ、感染者からのコンタクトを待つ方法しかなく、これまでのところ、感染者からの協力は得られていない。2年目に呼びかけの方法などを工夫し、引き続き情報収集に努める。また、当初の計画にはなかったが、シャーガス病治療薬を製造している製薬企業からの情報収集および、在日外国人の保健医療問題に関する文献調査や関係者インタビューも計画に追加する。2年目の後半では、集めた情報の分析を始める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究者や医療従事者を中心に、日本国内のシャーガス病治療に携わった経験のある人々から情報を集めることができ、治療薬へのアクセスに関わる問題点や課題などを概観することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究者や医療従事者から集めた情報を検証するためには、患者側からの視点が欠かせない。患者へインタビューするにはさまざまな制約があり、これまでのところ実現できていないが、今後の研究で実現させていきたい。また、追加の計画として、シャーガス病治療薬を製造している製薬企業や、在日外国人の保健医療問題に関する文献や関係者からも情報収集をしたい。収集した情報の分析も始める。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により、旅費の支出がなくなったことが大きく影響している。翌年度の旅費もCOVID-19の流行状況次第となる。オンラインビデオ会議によるインタビューが情報収集の主軸になっているため、そのための設備強化に予算を充てる。加えて、ラテン系コミュニティーへアプローチするための広告費としても使用する予定である。
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