2023 Fiscal Year Research-status Report
横断研究によるMMSEを用いた認知機能とヒ素の関連について
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20K18939
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 春満 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (60755122)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 疫学 / 認知機能 / バングラデシュ / 聴覚 / ヒ素 / 識字 |
Outline of Annual Research Achievements |
バングラデシュではベンガル語の識字率は72.9%と高くない。バングラデシュの文化に合わせた認知機能検査としてバングラデシュ版ミニメンタルステート検査が開発され、それを用いて前回の調査で、生活習慣、社会経済的要因と認知機能検査をKishorgonj地区で65歳以上高齢者に対して行った。65歳以上で脳卒中、パーキンソン病の既往のない314名を解析対象とした。説明変数として、以下の項目を使用した。自己申告による喫煙状況、聴覚(正常、悪い)、嗅覚(正常、感じにくい、悪い)、社会経済的要因として婚姻・就業状況、高血圧と糖尿病の服薬状況、計測値として身長、体重、血圧を用いた。高血圧は収縮期/拡張期血圧≧ 140/90mmHgか服薬ありとし、識字は1年以上教育歴があるものとした。ミニメンタルステート検査が21点未満のものを認知機能低下とし、目的変数とした。多変量ロジスティック回帰分析を用いて認知機能低下との関連を調べた。結果、参加者の平均年齢は72.5歳、識字率は、男性で23.6%、女性で5.9%であった。聴覚が正常な者と比し、聴覚が悪いと回答した者は、認知機能低下のオッズ比が1.94倍有意に高かった(95%信頼区間:1.08-3.47)。同じモデルで、年齢が5歳増す毎に、独立して 認知機能低下と関連が示された(オッズ比:1.31、95%信頼区間:1.12-1.53)。以上のことから、本研究で、バングラデシュの地方に住む地域住民において、聴覚が悪いことと高齢であることが認知機能低下と関連が認められた。新型コロナの影響でヒ素の測定の協力を依頼している機関で調整に難航している。フィールド調査ための倫理申請を行い、前回対象地域において追跡対象者にコンタクトをとり415人中、348人生存、36人死亡、31人追跡不能であった。今後追跡調査を行い、結果をまとめる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の流行により、研究協力機関の機関の事務所などに連絡がとれ る人員がいないなどの理由により、書類申請が遅れ、研究協力者と現地での研究の調整者との面談などの日程が遅れたため。最終年度になるため、フィールド調査を優先して進めることにしたため、現時点までに追跡対象者のコンタクトまで進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
フィールド調査ための倫理申請を行い、前回対象地域において追跡対象者にコンタクトをとり415人中、348人生存、36人死亡、31人追跡不能であった。今後追跡調査を行い、今データをまとめて、解析を行う。
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Causes of Carryover |
測定機関との研究協力の調整が上手くいかず、手続きが進まなかったため。フィールド調査を優先することとし、フィールド調査を次年度から開始することとした。
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Research Products
(2 results)