2021 Fiscal Year Annual Research Report
ADMAとホモシステインの両方を測定した人の生命予後と頸動脈厚進展の関連
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20K18945
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
豊増 謙太 久留米大学, 医学部, 助教 (50837672)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Homocysteine / ADMA |
Outline of Annual Research Achievements |
ホモシステインとADMAは動脈硬化の危険因子と認識されており、ホモシステインとADMAの両者がともに高値であるものにおける頸動脈硬化の危険度や生命予後との関連について検討する目的で世界7カ国共同研究のコホートの一つである田主丸において、疫学的縦断研究を行った。1999年に計1920名の一般住民を対象に住民検診を行い、その中でホモシステインとADMAの両者を測定し得た517名の追跡調査を行った。対象者を約20年間追跡し、追跡率は96.7%(追跡不能:17名)で、経過中に182名の死亡があった(悪性腫瘍:64名、脳・心血管疾患:28名、感染症:34名)。年齢と性別で調整後のCox回帰分析では全死亡は収縮期血圧、ホモシステイン、喫煙と正の関連を認め、BMI、総コレステロール、LDLコレステロールと負の関連を認めた。しかし、ADMAとIMT肥厚に関しては年齢と性別で調整後に有意性は消失した。ホモシステインとADMAを5群に分け、全死亡に対するハザード比を検討したところ、ホモシステインが最も高い群では最も低い群と比較し、有意にハザード比が高く、最終的に年齢、性別に加えて血圧、脂質、糖尿病、喫煙の4大危険因子で補正後も有意に全死亡リスクの上昇を認め、ハザード比:1.845と1.8倍のリスク上昇を認めた。ADMAも同様に解析を行ったが、有意性は認めなかった。ホモシステインとADMAのそれぞれ5群を組み合わせた25群の全死亡に対するハザード比はHcyとADMAが高い程ハザード比が高い傾向にあり、HcyとADMAの相乗効果が示唆された。
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