電子レセプト情報から傷病名を明らかにする確率計算式の開発

2021 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 20K18954
• Research Institution: Hirosaki University
• Principal Investigator: 田中 里奈 弘前大学, 医学研究科, 助教 (40709713)
• Project Period (FY): 2020-04-01 – 2024-03-31
• Keywords: がん登録 / ベイズ統計 / 悪性新生物

Outline of Annual Research Achievements

本研究は日本人の死因の過半数を占める悪性新生物（がん）、心疾患、脳血管疾患などの生活習慣病に関する傷病名を対象とし、それらの生活習慣病に関する傷病名の電子レセプト情報を疾病登録データと照合し、電子レセプト情報上の特徴明らかにすることで、電子レセプト情報の各項目の組み合わせと電子レセプト上の傷病名の確率を明らかとする確率計算式を開発するものである。今年度は昨年抽出した電子レセプト情報を院内がん登録データと紐づけし、がん患者と非がん患者の照合を行った。電子レセプト情報のうち「がん」と病名のあるもののから、（1）レセプト病名（2）抗がん剤・内服薬（商品名）（3）抗がん剤・点滴薬（商品名）（4）処置（抗がん剤胸腔内注入など（5）手術の術式名（6）腫瘍マーカーの各項目における事後確率を算出し、ベイズの展開公式により各事後確率を統合して、確率計算式を開発した。今年度は2013～2019年における確率計算式を開発したため、今後2021～2022年の院内がん登録データや放射線部の心臓カテーテル検査実施記録データが完成し次第モデルに投入して予測（判別）の精度を向上させる（ベイズ更新）。最終的には自動的に生活習慣病症例であるか否かを判別する機能（Native Baysian filtering）を設け、カットオフ値の検討はこの段階で行い、確率計算式を完成させる予定である。さらに、本研究課題を学会等で報告し、その際に指摘された箇所と明らかになった問題点を修正・改善する。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

確率計算式を開発した。

Strategy for Future Research Activity

過去のレセプトデータから、開発した確率計算式の精度の確認を行い、学術発表を行う。

Causes of Carryover

COVID-19感染症の流行により、出張が取りやめとなり、旅費がかからなかった。しかしオンラインでの学会参加も可能となってきたため、今後は国際学会ならびに国内学会に参加する。