2022 Fiscal Year Research-status Report
小中学校のインフルエンザ対策の検証:病院感染対策の導入効果
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20K18966
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
小野寺 直人 岩手医科大学, 医学部, 講師 (90788720)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 感染対策資材の提供 / 感染対策レクチャー / 手指衛生剤使用量調査 / 欠席率の調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
学校がインフルエンザ(Flu)流行の増幅因子である可能性は高く、医療施設のみならず地域社会への影響が大きいことから、学校でのFlu対策の強化が望まれる。本研究では、4年間の期間で学校におけるFlu対策の現状を把握するとともに、医療施設におけるFlu対策を小中学校で取り入れ、その成果を検証することとした。 本研究における2022年度の研究実績として、小学校(小学校A:児童数325名、小学校B:341名、小学校C:78名)および中学校(中学校A:生徒数185名、中学校B:169名、中学校C:104名)の計6校を対象に以下の研究・調査を行った。 各学校に必要とされた感染対策資材として、アルコール手指消毒薬5L×46本、ハンドソープ550mL×168本、マスク50入×60箱を提供した。また、感染対策資材の効果的な使用を促すために、継続的な感染対策の教育の希望があった小学校2校に対し、児童を対象にしたレクチャーを行い、加えて教員向けのレクチャーを小学校3学校と中学校2校で実施した。なお、今年度の取り組みは、2021年度に補完する教育とした。さらに、感染対策資材の提供と感染対策指導が各学校におけるインフルエンザなどの感染症による欠席率への影響を検証するために、各学校における手指衛生薬の使用量調査および各学校における欠席率の調査を行った。Fluによる欠席者は小学校A~Cでそれぞれ117名、130名、418名で、中学校A~Cでは38名、25名、89名であり、2021年度では全校で1名から大きく増加した。現在までの研究結果では、学校側の感染対策に対する意識は大きく変わったが、欠席率については、新型コロナウイルス感染症や2021年シーズンのインフルエンザ流行に影響を受けていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた1)感染対策資材の提供、2)追加的な各学校対象に児童生徒および教員に対する感染対策レクチャーの実施、3)各学校における手指衛生薬の使用量調査、4)各学校における欠席率の調査を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、2020年度から2022年度までの3年間の研究をまとめ、感染対策の資材の提供と児童・生徒および教員への感染対策のレクチャーが、学校の欠席率への影響を検証する。また、各学校ごとの手指衛生薬の使用量と欠席率への影響についても比較検討する。今年度上半期で検証を終了し、下半期では、学校を限定した形で同様の追加研究を予定している。
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Causes of Carryover |
新型コロナが流行し、WEB参加等により旅費の支出が少なかった。
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