2023 Fiscal Year Research-status Report
小中学校のインフルエンザ対策の検証:病院感染対策の導入効果
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20K18966
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
小野寺 直人 岩手医科大学, 医学部, 講師 (90788720)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 感染対策資材の提供 / 感染対策レクチャー / 手指衛生剤使用量調査 / 欠席率の調査 / インフルエンザ対策の効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
盛岡市内小中学校各2校および北上市内小中学校各1校を対象にしたインフルエンザ対策導入の効果を検証した。本研究では2020年度に各学校に対する研究説明と同意書の取得と介入計画を進め、2021年度に各学校の要望に応じて「児童・生徒に対する感染対策レクチャーと手指消毒キャンペーン」を実施した。また、感染対策資材(マスク、手指消毒剤、ハンドソープ、環境清拭用クロス、スキンケア剤)を提供し、使用の方法や感染症発生時における相談を受け付けた。また、教員に対する感染対策実施後アンケートを行った。2022年度には、感染対策資材の提供を継続し、学校の状況に応じて、児童・生徒・職員に対する追加レクチャー等を実施した。2023年度は、本研究の成果を評価するために手指消毒剤やハンドソープの使用量やインフルエンザによる欠席率、学校休業状況を分析した。 検証の結果、手指消毒剤は1.94mL/児童・生徒/日(5校)、ハンドソープは1.2mL/児童・生徒/日(6校)と、学校における手指衛生状況の把握が可能となった。これらの数値は、感染対策の介入から学校別に大きな差はなかった。また、欠席率の分析では、介入前における2019年度の把握できたインフルエンザ数は173人/校(4校)で、202年度は2人/校(4校)、2021年度は0.5人/校(6校)、2022年度は136人/校(6校)と新型コロナウイルス感染症の影響が大きかった。一方で、岩手県から報告されている学校インフルエンザ学校閉鎖サーベイランスの結果で、盛岡市内の学校では、施設の規模で補正した感染対策支援学校と未支援学校では、支援学校の方が学校閉鎖数等に減少傾向が認められた。また、学校管理者に対する感染対策のアンケート結果では、学校におけるこれからの感染対策に必要な項目で多かったのは感染対策予算の確保や感染対策資材および子供たちへの指導が多かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初インフルエンザの発生が予測されたが、新型コロナウイルス感染症の発生によって、対策の効果が明確に表せない可能性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、盛岡市内の小中学校について、追加の支援を行い本研究の検証を行う予定である。
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Causes of Carryover |
2023年度は、本研究の分析結果から、2024年度に追加研究を行う予定だったため、すべての予算を執行しなかった。2024年度には感染対策資材または情報収集あるいは発表のための予算を予定している。
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