2023 Fiscal Year Annual Research Report
軽度認知障害高齢者における身体活動の縦断的変化パターンと認知症発症との関連の解明
Project/Area Number |
20K18975
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
千葉 一平 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 助教 (20835897)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 身体活動量 / 軽度認知障害 / 認知症 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では軽度認知障害を有する地域在住高齢者の3年間の身体活動変化パターンが認知症発症に及ぼす影響を分析する。身体活動量は3軸加速度計にて測定をしており、対象者の居住自治体内の公共施設や商業施設に設置された読み取り専用端末で通信を行う事により身体活動量データの蓄積が行われる。2020年度まで にベースライン調査から2020年3月までの身体活動量データベースの構築(月別の歩数および強度別の身体活動量集計データ)とベースラインの高齢者機能健診の データ整理を行った。自治体等より取得している診療報酬明細データについて、データ形式の整理等を行い認知症発症の追跡データ構築に向けた作業を行ってい る。一部自治体から受領した診療報酬明細情報の整理と認知症関連コードの抽出およびデータ整理を実施し、データ構築が完了した。予定されていたその全ての自治体について、認知症発症データの構築が十分に行うことができていないが、分析が可能な状態となった。除外基準(有効な身体活動データなし、研究開始前に既に認知症を発症)に該当する者を除いた483名が解析対象となり、うち54名で認知症発症が見られた。身体活動の軌跡は集団軌跡モデルを用い、身体活動ドメイン毎(歩数、低強度身体活動、中高強度身体活動)に経時変化をグループ化したところ、各ドメインにおいて2グループに分類された。(活発群、非活発群)身体活動量の軌跡と認知症発症の関連を分析した結果、歩数、中高強度身体活動において活発なグループで認知症発症数が少ない傾向が見られ、低強度身体活動におけるグループ間では明らかな関連は見られなかった。ただし、年齢・性別・身体機能・併存疾患等の項目で調整したモデルを用いて検討すると、歩数・中高強度身体活動のグループ間では明らかな関連は見られなかった。
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