2021 Fiscal Year Annual Research Report
死後MRI検査と遺伝子解析を融合した、心臓性突然死の包括的な原因究明システム構築
Project/Area Number |
20K18977
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
早川 輝 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (90758575)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 心臓性突然死 / 死後MRI検査 / 遺伝子解析 / 法医学 / 法医診断学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては、死後MRI検査と遺伝子解析を融合した、心臓性突然死の包括的な原因究明システムの構築を目的としている。 ① 撮影条件の検討を含む死後心臓MRI検査法の標準化:法医解剖時に摘出した心臓をホルマリン固定した後に、附属病院のMRIスキャンを用いて死後心臓MRI検査を実施している。その際に放射線科医及び放射線技師と相談し、検討を重ねていく中で試行錯誤しながらも、無理のない手順で最適な死後心臓MRI検査を行う工程を確立できた。 ② 死後心臓CT検査、死後心臓MRI検査、病理組織学的検査の所見の対比・評価:死後心臓MRI検査を実施した症例に関して、死後心臓MRI検査の所見に加えて、死後CT検査(造影・非造影を含む)と病理組織学的検査の所見を、放射線科医と症例ごとにディスカッションし、それらについてまとめて、症例を蓄積している。 ③ 各種検査で異常所見が認められた心筋に対する遺伝学的検査の導入・検討:死後心臓MRI検査を実施した事例において、血液からDNAを抽出し、心臓性突然死に関与する遺伝子パネル解析を次世代シークエンサーを用いて実施しており、現在その解析中である。各種検査で異常所見があった部位の心筋からDNAを抽出して網羅的 遺伝子解析を実施して、末梢血DNAによる従来の遺伝学的検査に加えて、異常心筋における遺伝子変異(モザイク変異)の検出を検討している。 死後MRI検査を含む死後画像検査と死後遺伝学的検査を発展させた上での、各種検査を 組み合わせた心臓性突然死の包括的な原因究明システムの構築の検討は、世界に先駆けて行 われるものである。
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