2021 Fiscal Year Annual Research Report
Histological examination of cardiac amyloid deposition and analysis of risk factors for sudden death: a forensic autopsy series.
Project/Area Number |
20K18979
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
一萬田 正二郎 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (60849355)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 心臓 / アミロイドーシス / ATTRアミロイドーシス / 突然死 / 胆嚢 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、トランスサイレチン由来(ATTR)アミロイドーシスは治療可能な疾患になりつつあり、早期診断の重要性が増している。申請者はこれまでに本症を病理組織学的に検討した学術論文を3本投稿した。 1本目は、心ATTRアミロイドーシスの病理組織学的検討報告である。富山大学法医学講座における連続法医解剖例1698例を組織学的に検討し、44例の心ATTRアミロイドーシス症例を抽出し、それらを詳細に解析した。その結果、軽症期と重症期の間に心房優位沈着期が存在すること、この特徴的な沈着期の形成にはATTR沈着物と心房ナトリウム由来因子由来アミロイド沈着物との相互関係が影響している可能性があること、重症度にかかわらず、心臓へのATTR沈着自体が突然死のリスクになることを見出した。これらの結果から、早期治療が心臓突然死の予防に重要であること、心房の評価が早期のATTR症例を検出するために重要であることを示した。 2本目は、胆嚢ATTRアミロイドーシスに関する症例報告である。この症例報告を通じ、これまで胆嚢へのアミロイド沈着はまれとされてきたが、多くが見逃されている可能性があること、胆嚢に沈着がみられる症例では心臓にも沈着が起こっている可能性が高いことを見出した。 3本目は、胆嚢と心臓のATTR沈着の重症度の関連を病理組織学的に検討した報告である。富山大学法医学講座における連続法医解剖例1826例を組織学的に検討し、50例の心ATTRアミロイドーシス症例を抽出した。その内、胆嚢と心臓が適切に標本化されていた15例を詳細に解析した。その結果、胆嚢への沈着率は67%と高頻度に起こり、胆嚢の間質(筋層)への沈着は心の重症沈着を示唆する初見であることを示した。以上より、胆嚢への沈着はまれではなく、その重症度は心臓の重症度と相関すると考えられた。
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