2021 Fiscal Year Research-status Report
「職場の『働きやすさ』評価尺度-病院看護師長用-」の開発
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20K18992
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
鹿島 嘉佐音 帝京科学大学, 医療科学部, 助教 (80828153)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 働きやすさ / 看護師長 / 職場環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
看護師にとっての働きやすい職場は、看護師個々の離職防止につながり、看護の質向上に直結する。近年の「ヘルシーワークプレイス」概念の普及や「働き方改善」などを追い風とし、看護職者の働きやすい職場づくりに向けた関心は高まる一方である。 これまで、病院に就業するスタッフ看護師に焦点を当て、その「働きやすさ」を解明した先行研究は存在するが、看護師長に焦点を当て、その「働きやすさ」の全容を解明した研究は存在しない。看護師長にとって働きやすい職場をつくることは、看護管理者としての役割遂行を促進し、所属看護単位の看護の質を向上するという観点より重要な課題であり、そのためにはまず、看護師長の「働きやすさ」への理解が不可欠である。 そこで、全国の病院に就業する看護師長を対象に、看護師長が知覚する「働きやすさ」および「働きにくさ」を質的帰納的に解明するとともに、看護師長がどのような基準で「働きやすさ」を決定しているか、その基準の解明を目指す。この目標の達成に向け、2021年度は、データ収集に向けた準備を完了した。具体的には、研究計画書のさらなる洗練に加え、全国調査に向けた特性調査紙および自由回答式質問を用いた質問紙から成る質問紙票を作成した。また、質問紙票の洗練に向け、研究支援者および研究コミュニティのメンバーから得た意見を踏まえ検討を重ねた。さらに、所属研究機関の倫理審査委員会から承認を得るとともに、全国の病院約8300施設より、調査依頼を行う250病院を無作為に抽出した。 2022年5月現在までに、250病院のうち75病院を対象にパイロット調査への協力を依頼し、質問紙票配布協力への承諾を得られた56名分の質問紙票を発送した。今後は、300データの収集を目指しデータ収集を行い、目標データ数収集後、質的帰納的分析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は、全国の病院に就業する看護師長300名からデータを得て、看護師長が知覚する「働きやすさ」「働きにくさ」のデータを収集する。COVID-19感染拡大による医療現場の状況等を踏まえ、データ収集の開始が遅れたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度内に、看護師長の「働きやすさ」を決定づける基準の解明に向けたデータ収集を完了し質的帰納的分析結果の産出を目指す。2023年度以降は、質的帰納的分析結果である看護師長の「働きやすさ」を決定づける基準を基盤とする尺度を開発する。
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Causes of Carryover |
COVID-19の感染状況を考慮し、2021年度に計画していた全国調査を2022年度に実施するため。
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