2020 Fiscal Year Research-status Report
トランスジェンダー学生が安全に安心して看護を学ぶための学習環境整備の検討
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20K18997
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Research Institution | Yamagata Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
菊地 圭子 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 准教授 (00444927)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | トランスジェンダー / セクシャルマイノリティ / 看護教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は看護教育課程においてトランスジェンダー当事者学生が抱える困難や課題を明らかにするため、現在看護師として働くトランスジェンダー当事者である方々への面接調査を計画していた。しかし、新型感染症流行による社会情勢変化に伴い調査を実行することが困難であったため、面接調査を次年度以降に延期することとした。 令和2年度は看護教育におけるセクシャルマイノリティに関連した国内研究をレビューし、現状と課題を分析した。その結果、看護学生には他の教育課程の学生よりは性の多様性に関する知識をもち、必要な態度を身につけている傾向はみられたが、性の多様性に関する教育が十分行われているとは言い難く、性の多様性に関する知識や態度がやや不足している現状が窺えた。当事者の看護学生を対象にした研究は1件のみであったが、在学中から自分のセクシャリティや看護師としてのアイデンティティに悩む様子が明らかになっていた。看護教員のなかには過去にセクシャルマイノリティである学生を指導した経験を持つ者も多く、基礎看護技術演習など肌を露出する演習の際に特に配慮を行っていた。また看護教員の中には自己の性の多様性に関する知識が不十分だと自覚する者が多く、看護教員自身の性の多様性に関する学習の必要性を感じていた。これらの現状から、今後トランスジェンダー看護学生が安全に安心して学修するための支援体制として、当事者学生への支援だけでなく、当事者学生をとりまく環境である看護学生や看護教員に対して知識の普及や必要な態度の醸成を図っていく必要性が示唆された。この文献検討は令和3年度中に学会誌等への投稿を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本計画で予定している面接調査の対象は、看護師または看護教員である。新型感染症流行により、これらの面接調査対象者は研究協力に応じることが困難であると予測された。そのため、当初計画を変更せざるをえず、遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画では研究Ⅰとしてトランスジェンダー当事者看護師を対象とした面接調査、研究Ⅱで看護教員を対象とした面接調査を予定していた。しかし、社会情勢を鑑み、令和3年度は研究Ⅱを先に実施し、令和4年度以降に研究Ⅰを実施するように計画を変更する。
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Causes of Carryover |
令和2年度に予定していた面接調査を実施できず人件費・謝金が生じなかった。また学術集会への参加ができず、旅費が発生しなかった。これらの理由により余剰金が多く生じた。令和3年度の面接調査で令和2年度分の余剰金を使用する。
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