2023 Fiscal Year Research-status Report
現実適合性の高い模型を活用した歯周病疾患予防・悪化防止に資するプログラムの創成
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20K18998
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Research Institution | Chiba Prefectural University of Health Sciences |
Principal Investigator |
今井 宏美 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (00369406)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 電動歯ブラシ / ブラッシング圧 / 歯垢 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究では、練習模型を用いた電動歯ブラシによるブラッシング練習により、身体への侵襲的リスクを冒さずにブラッシング技術を修得し得るか否か、及び練習モジュールを利用した練習の有無が技術習得に与える影響について、データ分析を行った。 実験グループの設定:実験期間を通じて、電動歯ブラシを用いてブラッシング練習を行う群(以下「練習あり」)と、練習を行わない群(以下「練習なし」)を設定した。(2) 模型ブラッシング実験:人工プラーク模型専用人工歯垢を塗り重ねた練習模型を用い、実験協力者がブラッシングを行った。(3) 自己ブラッシング実験:実験協力者が自身にブラッシングを行う際、カラーテスターを用いて実験前の歯垢状態と実験後の歯垢状態を記録した。これらの実験では,ブラッシング圧を3段階で表示するセンサー機能付きの電動歯ブラシを用いた。 動作分析より得られた、適切なブラシ圧の表示時間の平均を求めたところ、模型ブラッシング(練習あり)、自己ブラッシング(練習あり)ともに、1回目から3 回目にかけて適切なブラシ圧の時間が増加しており、特に模型ブラッシングの1回目と3回目の間には統計的な有意差が認められた。また、ブラッシング時間に占める適切なブラシ圧の時間の割合も同様の傾向が認められた。適切なブラシ圧の割合は、「練習あり」の場合、模型実験、自己実験ともに1回目以降はすべて 50%を超えているのに対し、「練習なし」の場合、全体を通して 50%以下であった。 これらの結果から、練習模型を用いた自己学習によって適切なブラッシング圧での歯磨きの習得が可能であることを示唆していると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ禍の影響が長期化したことにより、飛沫感染リスクが懸念される口腔ケア実験が困難となり、各年度で適宜研究計画を見直したが、当初期待していた研究レベルを満たすものとなっていない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間を延期したことで、2024年度は対面での実験・調査の頻度を増やし、所期の分析に耐えるデータを収集することで成果の充実を図る。
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Causes of Carryover |
新型コロナ禍の影響が長期化したことにより、飛沫感染リスクが懸念される口腔ケア実験が困難となった。 各年度で適宜研究計画を見直し、感染リスクの少ない実験方法を採用し、一定の研究成果を得てきたものの、当初見込んでいた研究規模となっておらず、その結果、当該年度までの支出額も当初より少なくなり、次年度使用額が生じることとなった。 研究期間を延長したことから、次年度に所期の支出・執行が行われる予定である。
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