2021 Fiscal Year Research-status Report
褥瘡の再発予防を目的とした創閉鎖部リモデリング評価指標の創成
Project/Area Number |
20K18999
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
浦井 珠恵 富山県立大学, 看護学部, 講師 (20808670)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 褥瘡 / 再発予防 / 局所ケア / 創閉鎖部 / リモデリング / ずれ力 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の研究計画では、褥瘡の創閉鎖部から検出されるコラーゲン量の経時的推移ならびに再発の有無による検出量の違いを明らかにすることを目的とし、分子生物学的アプローチでの評価を検討していた。しかし、現在も新型コロナウイルス感染症予防のために調査施設への立ち入りが難しい状況が続いていることを考慮し、本研究課題の評価方法ならびに研究スケジュールの再検討を行っている。新たに着目している評価方法は、看護理工学的アプローチである。
【新】適切な体圧分散寝具や低摩擦係数の被覆材を使用しても、褥瘡再発割合は31.8 %であり(自験データ)、再発を防ぎきれない現状がある。ずれ力では圧力の1/2の力で血管が閉塞するため、骨突出部にかかるずれ力の軽減が再発予防に重要である。骨突出部にかかるずれ力を指標に褥瘡予防ケアを評価することを最終目標とし、まずはベッドサイドで使用可能なずれ力の測定機器を開発する。 ずれ力を客観的に評価する従来の手法としては、有限要素法もしくは簡易式測定器がある。有限要素法は対象部位の骨や筋肉の形態をMRIで撮影する必要があるため、臨床で適用するには患者に身体的・経済的な負担がかかる手法である。一方、既存の簡易式測定器は骨突出部を覆うにはセンサのサイズが小さく、センサと測定器はケーブルで繋がれていることで煩雑さがあった。以上より、従来の手法では骨突出部にかかるずれ力をベッドサイドで測定することは困難であり、ずれ力測定機器開発のニーズは高い。対象者がベッドに臥床した状態で非侵襲的かつ簡便に測定が可能な機器の開発を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は療養病棟を有する一般病院で調査を行う計画を立てていたが、新型コロナウイルス感染症予防のために調査施設への立ち入りが難しい状況が続いている。そのため、本研究課題の評価方法ならびに研究スケジュールを再検討しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
看護理工学的アプローチの研究計画を立案する。既にずれ力の測定機器のニーズ洗い出し・整理を行っており、それらの情報を基に計画を具体化する。研究倫理審査申請など、データ収集に向けた準備を進める。
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Causes of Carryover |
臨床調査開始の見通しが立たないため、使用期限のある試薬等を購入することができなかった。そのため、余剰金は次年度以降の必要物品購入費用に充てる。
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