2020 Fiscal Year Research-status Report
就労に必要な5スキルを視点とした「看護系発達障害傾向学生の支援プログラム」の作成
Project/Area Number |
20K19003
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
吉兼 伸子 山口県立大学, 看護栄養学部, 准教授 (30637137)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 看護学生 / 就労スキル |
Outline of Annual Research Achievements |
2016から2019 年 Y 県内看護協会主催の実習指導者講習会の実習指導者各 45 名を対象に、自由記述を中心とした質問紙調査 を実施した。質問項目は「あなたが実習指導時に困難を感じた り、戸惑ったことはどのようなことでしたか」であった。自由 記述の内容は、質的帰納的に分析し、内容の類似性により分類 しつつ、要約していくコーディング作業を行いカテゴリ化した。その後、就労スキルとの対応を検討した。 臨地実習指導の指導困難状況のエピソードは 4 年間で 168であった。それらは、「看護過程が不適切」「患者との 関わりが不適切」「実習態度が不適切」「学生の行動傾向」に分類された。エピソード数がもっとも多く、指導困難状況として 問題視された順は、「看護過程」「患者との関係」「学生の行動 傾向」「実習態度」であった。 これらのエピソード及びサブカテゴリを、就労スキルに分類 した。その結果、就労スキルにおいては、「職場態度(職場ル ールと職場マナー)」「ストレスコントロール」「予定管理」「体 調管理」の順であった。それらのどれにも属さない看護独自の 内容として「看護的思考(看護過程)」が示された。 看護職の就労スキルにおいて、職場ルール(規則や決まり事)職場マナー(配慮や思いやり)の差がはっきりしていない。これは、看護職の職場風土がルールやマナーを曖昧に捉えており、不文律のルールやマナーの存在が示唆される。これをまとめて「職場態度」とすると、指導困難状況からみた就労スキルは「職場態度」が最も多かった。就労スキルを意識すると、看護的思考より看護職としての態度が最優先されることが示され、実習が看護職としての態度を培う場と捉えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、医療職種はコロナウイルス感染者の対応のため多忙を極め、インタビュー及び質問紙調査を行うのは困難な状況にある。昨年度、複数施設においてZoom使用にて遠隔インタビューの打診を行ったが、医療状況の逼迫により前向きに捉えてもらえず、また個人のネットワークの限界を感じた。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度は、インタビュー予定であった医療施設が、コロナ禍の医療状況の逼迫により研究依頼に前向きに捉えてもらえず、また個人のネットワークの限界を感じた。 そのため大学の推進する共同体参加により、研究者個人の興味や関心ではなく、大学組織として現研究に取り組む状況を伝え、時期や条件を整えることで、各医療施設の協力の促進力になると考える。
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Causes of Carryover |
昨年度実施できなかったインタビュー調査を実施する。インタビュー調査後の文字興しや質的検討のスーパーバイズの外部委託費用及び謝金を計上したい。
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Research Products
(1 results)