2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K19004
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Research Institution | Tohoku Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
大崎 真 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 助教 (90811745)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 静脈炎 / 罨法 / 基礎看護技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では静脈炎に対する適切な冷罨法の「実施時間」と持続する傷害に対する罨法の効果を明らかにすることを目的とする. 今年度の研究成果としては,感染症拡大に伴う社会情勢の中における本研究遂行に必要な実施環境の確保が挙げられる.2021年度も昨年度に引き続き感染症拡大に伴う実験実施の制限があったが,移動制限の緩和に合わせて活動したことで実験環境を確保することができた.具体的には,研究段階1の遂行のため実験研究に係る予備実験を行い,機材等の確認をした.予備実験では,薬剤の投与に伴う静脈炎の病態の作製を確認し,冷罨法の介入を実施した.薬剤の投与によって皮膚色の変化や末梢壊死など静脈炎様の症状出現を確認した.また,当初の計画に従い冷罨法実施時間を5分,20分間とした介入実験を実施した.実施後は肉眼的所見や腫脹の変化を観察し,今後は組織学的所見を検索する予定である.本研究において20分から30分以上の冷罨法介入を実施する予定であったが,1時間以上の長時間の介入は実験動物に対する麻酔の負荷が大きくなってしまうこと,逆に無麻酔での1時間以上の寒冷刺激を実験動物に与え続けることは,予定している介入方法では物理的に困難であった.以上の実験結果から,研究遂行環境は確認できたが,静脈炎病態作製の再現性の担保が十分ではないことと,適切な介入方法を再検討する必要性の課題が明らかとなった. また,前述の社会情勢は本研究に少なからず影響を及ぼしており,挙げられた課題を解決する研究の実施まで進めることができず,目的であった罨法効果の検証ができていない状況である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の懸念事項であった感染症拡大に伴う移動制限が緩和されたことから,研究計画に基づき実験動物を用いた実験研究を開始した. 今年度は,研究施設及び機材の確認を中心とした予備実験を実施した.得られた成果として,今後も本研究を継続できる状況であることを確認した.一方で,予備実験の状況から,静脈炎モデル作製の再現性の担保とより効果的な介入方法の考案が検討課題として挙げられている.そのため,当初の計画では介入研究から得られた成果を社会へ発信していく予定であったが,まだ至っていない状況である. 以上より,本研究の進捗状況としては,当初の計画からやや遅れていると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の変更の必要はないため,基本的には当初の計画に基づき本研究を遂行する. 現在までに明らかとなっている課題に対しては,以下の通り対応する. 静脈炎モデル作製の再現性の担保については,使用機材等の実験環境の再検討と手技の確立を最優先に実施する.静脈炎モデルの作製の再現性が確認できたのち,介入研究を進める.実験群への介入については点滴や血管に関する研究を専門としている研究者より適宜助言を受けながら,介入方法の検討を行う. 以上より,本研究を遂行し,進捗状況に応じて研究成果を社会へ発信する.
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は,今年度までに予定した実験研究の一部した実施できなかったことにより,予算計上していた実験関連物品を購入できなかったためである. 使用計画としては,2022年度にこれまでに予定していた実験研究を実施する予定であるため,実験に係る物品を購入することで使用を計画している. (主な物品としては,実験動物購入費,麻酔薬含む試薬などの関連機材,専門業者への病理標本作製依頼費など)
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