2020 Fiscal Year Research-status Report
アフォーダンス理論に基づく触れるケアの探究と看護技術教育モデルの構築
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20K19008
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
酒井 千恵 日本赤十字看護大学, さいたま看護学部, 助教 (80785395)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アフォーダンス / 触れるケア / 看護技術教育 / 看護学生 / Nuesing as an art |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は、右記の(1)と(2)の目標に即して研究活動を行った。(1)看護師に対してプレテスト行い、本調査に向けて適切な触れるケアの技術を選択し、データ収集・分析方法を明確化する。(2)(1)で選択した触れるケア技術に対し、看護師と看護学生の比較を通じて触れるケアに備わる諸条件を明らかにするための研究方法を洗練させる。 (1)に関しては、看護師2名に対してプレテストを行った。模擬患者3名が演じる設定した状況に対して触れるケアを実施している様子を観察し、インタビューを行った。アフォーダンス理論に基づく先行研究では、人と環境(物)を対象とした研究が多く、人と人との間で行われる現象に焦点を当てて分析した研究が少ないため、データ収集および分析方法について、看護のアート・身体知の専門家や、分析するためのソフトウェアに関する専門家のスーパービジョンを受けながら、研究方法の方略と課題について検討した。触れるケアの技術の選択においては、看護学生を対象とした教育プログラムではじめに取り組む技術として、すべての安楽ケアを成り立たせ、基盤となる技術である体位変換を選択することとした。 (2)に関しては、(1)の結果を踏まえて、本調査の前段階となる予備調査を実施した。看護師3名、看護学生2名に、同条件の下で模擬患者に触れるケア(体位変換)を実施している様子を観察し、インタビューを行った。当初の予定では看護学部1~2年生を対象としていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により臨地での実習機会が制限され、実際の患者への実践経験が少ない中で、看護師と同条件下での模擬患者への実施は負担が大きいことを考慮し、看護学部3~4年生を対象に変更した。結果については、現在分析中である。今後は、予備調査の結果を踏まえて、対象者の人数を増やし、本調査を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
4年間の研究計画の1年目である令和2年度は、看護師と看護学生による触れるケアの違いをアフォーダンスの観点から考察し、卓越した触れるケアに備わる諸条件を明らかにするために、次年度の本調査の基盤となる研究方法の洗練や研究の計画を行うことができた。看護師と看護学生の比較分析の予備調査が3月となったため、研究結果の詳細な分析は次年度課題となった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は、看護師と看護学生による触れるケアの比較分析の本調査を実施する計画である。この結果を、アフォーダンスの観点から考察し、卓越した触れるケアに備わる諸条件を明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、感染流行期を避け、さらに感染対策を講じながらのデータ収集となったため、本調査が次年度の実施となった。調査のデータ収集および分析に必要な視線カメラ計測システムのレンタル料および分析のソフトウェアのレンタル料は、翌年度分として繰越したため。
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