2021 Fiscal Year Research-status Report
工学的デバイスを使用した、臨床看護職者の用手的駆血手技における駆血圧差の実態
Project/Area Number |
20K19021
|
Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
中島 一成 武庫川女子大学, 看護学部, 助教 (40769874)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 看護師 / 臨床看護学 / 静脈穿刺 / 用手的駆血圧 / 工学 / 看護理工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は、医療機関等で実践的に日々上肢前腕静脈穿刺の業務に従事している臨床看護職者が用手的な駆血手技を実施した際の駆血圧力値の数値的データの取得に必須の工学的実験機材の準備が完了した。 本研究でターゲットとする圧力値は、機器の測定可能範囲として初期設定されている値を超える比較的高い圧力値を想定しているため、機材の装置や内部設定を特注にて変更する必要性が生じたが、複数回における予備試験を得て、本研究の測定に必要な圧力値範囲(0~200mmHg)に設定が完了した実験機材の購入を予定通り研究費を使用し実施した。 また、事前の検討事項としていた当該研究における影響因子の検討を行った。 具体的には駆血帯の種類、駆血帯を巻く際の強弱に対する実施者の意識、実施者の医療従事者としての臨床経験年数、医療従事者として勤務する医療機関での配属先や部署の特性、臨床で勤務する中での1日の採血や静脈穿刺の回数や頻度、穿刺を想定する血管の選定方法や知識、駆血帯を巻く対象部位の前腕や上腕の周囲径(細さ太さ)などの、本研究への直接的な影響の検討を実施し研究計画へ反映した。 今年度は昨年度予定していた、実際に医療機関等で業務に従事する臨床看護職者への直接的なデータ収集の依頼を、新型コロナウィルスによる感染状況や依然と医療機関で日々診療業務に従事されている医療従事者(特に本研究の対象とする臨床看護職者)の業務の繁忙化や逼迫状況を注視したうえで、どのタイミングで再開するかという点において具体的な時期を検討しつつ、本格的なデータ収集に注力していく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究に着手した2020年度4月時点と比較するとコロナ禍における新型コロナウィルスの感染状況は落ち着いてきているものの、終息はしておらず、以前として人を対象とした医学的研究を実施する場合において、相応の感染リスクを伴う状況が継続している。 今年度も昨年度と同様に、コロナウィルスの変異株による影響や緊急事態宣言の発令の有無、コロナウィルスの影響による医療機関における医療従事者の業務の繁忙化や逼迫状況を注視したうえで、本研究のデータ取集の依頼をする被験者である医療現場で実際に勤務している臨床看護職者への研究協力を慎重に検討していく必要性が生じていることから当該研究の進捗状況については「やや遅れている」の表記とした。
|
Strategy for Future Research Activity |
現時点では、社会全体の新型コロナウィルスの感染状況や感染者増加に伴う医療機関の繁忙化や逼迫状況が平静的であることから、引き続き感染状況を注視しながら、この安定的状況が今後も継続するようであれば、今年度7~8月頃に研究協力医療機関の対象看護師への研究協力を再開する予定である。 今年度は、昨年度同様予定していた被験者を対象とする駆血圧力値のデータの収集を現在のコロナ禍の中でどのように実施していくかという課題に対し安全性や被験者の負担を十分に考慮したうえで実施していく計画とする。 具体的には、十分な感染対策のもと人を対象とする医学系研究(具体的には臨床で勤務されている医療従事者と対面化での駆血圧データ測定を実施すること)の実施ができるようになった時に備えて、感染対策を十分に講じたデータ収集の場所や環境(主にデータ測定機器の消毒など、設備面の対策)の整備、データ収集再開の判断においても、現在のコロナ禍における社会全体の動向を注視し、医療機関の繁忙状況や逼迫具合などを逐次見ながら、被験者である医療従事者(臨床看護職者)に身体的にも精神的にも負担がかからない状況や時期の見極め、対象施設の絞り込みや限定化等を熟考していく必要があると考える。 来るべき研究再開に向けて、今年度は前年度に検討した上記と同様の研究計画の見直し、当該研究に必須となる用手的な駆血圧力値をを測定するための実験機器の点検等を進め、コロナ禍においても安全性と対象への負担を最小限にした人を対象とした医学系研究のデータ収集に努めていく計画を今後の方向性とする。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウィルスによる影響にて、予定していた当該研究におけるデータ収集等が昨年度時点で達成が困難な状況であったことから、研究被験者への協力謝礼金やデータ収集後の学会発表や論文投稿に必要な経費として当初から計上していた予算が余剰して繰り越されたため。
|