2021 Fiscal Year Research-status Report
PIVCにおける穿刺静脈の血管怒張を促すために有効な温罨法の加温条件の検討
Project/Area Number |
20K19023
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松本 美晴 九州大学, 医学研究院, 助教 (60820256)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 末梢静脈カテーテル留置術 / 静脈怒張 / 加温条件 |
Outline of Annual Research Achievements |
末梢静脈カテーテル留置術(PIVC)は薬剤投与を行う目的で行われるが、穿刺が困難な場面では、複数回の針の穿刺による合併症や苦痛、治療開始の遅れなどの問題がある。穿刺が困難な静脈の血管拡張を促すために、穿刺する部位を温める「温罨法」は、日常的に行われる看護ケアである。本研究では、この「温罨法」について有効な加温条件を検討することを目的としている。2021年度は、①静脈の深さと直径の測定再現性と②温罨法の加温条件を検討した。 ①では、若年成人女性23名を対象に静脈の深さと直径の短期的、長期的な測定再現性を検討した。静脈の深さの測定再現性は、短期と長期ともに高かったが、静脈直径では、長期的な再現性が低下することが示された。また、静脈の深さと体脂肪量の間には相関関係が示されたが、静脈直径とは相関がなかった。このことから、静脈の深さは解剖学的な特徴によって長期的な再現性が高かったが、静脈直径は日々の生理学的な要因によって長期的な再現性が低下する可能性が示唆された。 ②温罨法の加温条件は、文献検討の結果「加温範囲」に着目し、加温する範囲の違いによる静脈の拡張効果を検討することとした。さらに、加温媒体の温度や加熱方法等の実験条件についても検討が進み、今後は少数の対象者に対し予備実験を行い、プロトコルを確定する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は、コロナ感染拡大状況を踏まえ、感染対策を講じた上で目標としていたデータ収集ができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
2021年度に実施した①②より、実験条件設定のための示唆を得た。今後は、少数の対象者に対して予備実験を行い、プロトコルを確定した後に、実験を実施する予定である。また、今年度は2021年度に実施した①の論文投稿を予定している。
|
Causes of Carryover |
旅費(研究協力者との打ち合わせや学会旅費)と人件費・謝金について、次年度使用額が生じた。いずれもコロナの感染拡大により、打ち合わせがオンラインに変更となったこと、実験室や研究室内に立ち入る人数を最小限に制限したためである。 旅費については、感染拡大の状況を踏まえ、可能な限り対面での打ち合わせを計画し、学会については、現地での参加を検討する。
|
Research Products
(1 results)