2022 Fiscal Year Research-status Report
PIVCにおける穿刺静脈の血管怒張を促すために有効な温罨法の加温条件の検討
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20K19023
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松本 美晴 九州大学, 医学研究院, 助教 (60820256)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 末梢静脈カテーテル留置術 / 静脈の拡張 / 加温条件 |
Outline of Annual Research Achievements |
末梢静脈カテーテル留置術(PIVC)において、穿刺が困難な静脈を穿刺する場合、静脈の血管拡張を促すために、穿刺する部位を温める「温罨法」が行われる。本研究の目的は、静脈の血管拡張に有効な加温条件を検討することである。 2022年度は、前年度に行った成果を学術誌にて発表した。さらに、前年度に検討した文献検討の結果から、温罨法の加温条件のうち加温範囲に着目し、実験を行った。今年度は、まず予備実験にて加温範囲を2条件(穿刺部周囲のみ、前腕全体)に絞り、加温具の加熱方法を検討した。この結果を踏まえてプロトコルを確定し、本実験を行った。 本実験は、26名の健康な成人女性を対象に実施した。実験は、対象者1人につき加温範囲2条件を、連続した2日間の同一時刻に、クロスオーバーで実施した。加温時間は10分間とし、加温終了後に加温具を除去して1分後の静脈断面積を条件間の違いおよび加温前後で比較した。 分析対象は、超音波診断装置による静脈の描出不良等のデータを除外した23名とした。結果、加温範囲の違いによる加温後の静脈断面積の増加率には有意差を認めなかった。この結果については、現在先行研究と比較し、考察を進めている。さらに、加温範囲2条件ともに加温前後の静脈断面積にも有意差を認めなかった。この点については、熱による静脈の反応には個人差が大きいこと、および静脈断面積の増加率には、加温前の静脈断面積の大きさが寄与している可能性が考えられ、更に詳細なデータ分析を行っている。 結果の一部は、2023年度に学術集会で成果を発表し、その後学術誌にも投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、加温範囲の違いによる静脈の血管拡張への影響を学会にて成果発表し、学術誌への投稿準備を予定していた。しかし、予備実験およびプロトコルの検討に要する時間が、当初の予想よりもかかってしまい、その後の計画に遅れが生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
データ収集は終了しているため、引き続きデータの分析と考察を進め、学術誌への投稿準備を行う。 データの分析では、加温前後の静脈断面積の変化率に影響する要因として、特に生理学的な特性に着目し、これまでに得たデータから静脈断面積の変化率に影響する要因について検討する。
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Causes of Carryover |
前年度に引き続き、研究協力者との打ち合わせと学会の開催がオンラインであったため、旅費の支出がなかった。次年度は、学会発表のための旅費や英文校閲費、論文投稿料としての使用を計画している。
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Research Products
(2 results)