2020 Fiscal Year Research-status Report
正確で簡便な看護業務時間測定と評価による業務改善システムの検証と実装に向けた研究
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20K19024
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
岡田 みずほ 長崎大学, 病院(医学系), 技術職員 (90596561)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 看護業務量調査 / ABC分析 / 位置情報 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス感染症拡大により、重症患者の受け入れや病床再編、病棟閉鎖などが生じた。通常の調査環境は大きく変容したため、変更した業務量調査を実施するまでには至らなかった。2020年度の看護業務量調査(自記式記載方式による調査)の結果からは、7対1入院基本料算定病棟における患者100人当たりの看護業務量を2019年度と比較しても大きな変化は認められなかった。ただし、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れた病棟に関しては、2019年度の看護業務量と比較すると、患者100人あたりの業務量は約2倍に増加した。 7対1入院基本料算定病棟における看護業務量調査結果をABC分析した結果、観察・測定、看護実践記録、注射、与薬、スクリーニング・評価、身体の清潔、看護師間の報告・連絡、カンファレンス、情報収集、患者・家族への対応、診察・治療検査介助、患者移送、入退院時の世話、重症度、医療看護必要度関連の業務で全体の業務の80%を占めていることが明らかとなった。 また今年度は、2006年度から2017年度までに実施した看護業務量調査過去12年分について2020年度と同様にABC分析を実施した。その結果、紙カルテ時代の2006年度の看護記録関連業務は、看護業務全体の8%を占めていたが、電子カルテが導入され10年が経過した2017年度には22%まで増加していることが明らかとなった。また、12年間のABC分析の結果からは、上位の割合を占める業務にほとんど変化がないことが明らかとなった。 さらに、携帯端末を用いた業務量調査結果と位置情報を組み合わせ、ベッドサイドとベッドサイド以外での業務量の比較分析を実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大により、重症患者の受け入れや病床再編、病棟閉鎖などが生じた。また、看護業務量調査協力による通常業務への影響を考慮し、過去データについての再分析を実施した。さらに院内に存在するログデータの解析結果を組み合わせることで可視化可能な情報を整理する方向へ切り替えた。そのため、当初の計画に変更が生じる結果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症拡大により、過去データについての再分析を実施した。さらに院内に存在するログデータの解析結果を組み合わせることで可視化可能な情報を整理する方向へ切り替えた。その結果を基礎データとして、看護師の通常業務内で取得可能なデータ収集方法を再検討するとともに、位置情報の取得方法について再検討する。できる限り持続可能性の高いデータ収集方法を再構築する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症対応のため、重症者の受け入れや病棟閉鎖など調査環境の変化に計画変更が追い付かない状況が発生した。そのため、位置情報取得のためのツールの購入及び、院内ログデータ収集のためのツール開発が実施できなかったため、本費用として次年度運用予定である。
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