2020 Fiscal Year Research-status Report
交代制勤務の負担軽減に向けた看護師の朝型・夜型別夜勤適応策の確立
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20K19027
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
長島 俊輔 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 助教 (80826503)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | クロノタイプ / 朝型夜型 / 交代制勤務 / 看護師 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、生体リズムの個人差である、朝型・夜型(クロノタイプ)に焦点をあて、それぞれのタイプに適切な交代制勤務への適応方法を明らかにすることである。本研究課題では上記の目的に対して、交代制勤務で働く看護師を対象に質問紙による調査を計画した。 令和2年度は質問紙の作成にあたり、クロノタイプと交代制勤務についての文献を検討し質問項目の候補を選定した。その結果、先行研究においてクロノタイプを考慮した勤務シフトが交代制勤務への適応に有効であることが既に明らかになっていたが、日本の多くの病院が採用している短期ローテーション制の交代制勤務においては論文がほとんどないことがわかった。そのため、日本の看護に活用するためには、短期ローテーションシフトワークにおける有効性を検証する必要があることが明らかになった。 文献検討と並行して、実際に看護師として交代制勤務に従事した経験のあるものから意見を聴取した。交代制勤務研究においては朝型タイプの夜勤適応の困難さが指摘されているが、実際の看護師の経験談では、夜型タイプが夜勤から日勤のシフトへ戻る困難さを感じていることも示唆された。したがって、従来より言われていた朝型タイプの夜勤適応に対する困難さのみならず、夜型タイプの実態も明らかにできるような質問を作成できるよう項目を整理した。これにより、朝型タイプのみの”夜勤”適応策ではなく、朝型夜型それぞれの対する”交代制勤務”適応策の提言につながると考えている。 令和2年度はCOVID-19の感染拡大の影響により質問紙の配布ができなかったため、感染状況が落ち着いたタイミングで作成した質問紙による調査をおこなっていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和2年度は「質問紙の作成」「倫理審査委員会の承認」「質問紙回答の依頼」「質問紙の配布と回収」「データの入力」までを実施する計画だった。しかし、COVID-19の感染拡大により質問紙を配布予定だった関東圏に緊急事態宣言が発令され、看護師を対象とした本研究の質問紙は医療現場の負担増となることが懸念されたため、回答依頼時期を延期し再検討することとした。また、COVID-19による医療現場の逼迫は、質問紙の十分な回答率が見込めないだけではなく、看護師の疲労度を測定する本質問紙の結果にバイアスを与える可能性もあるため、実施時期を慎重に見極めて実施する必要があると考えている。 その結果、令和2年度は計画段階の進捗より遅れてはいるが、「質問紙の作成」、「協力依頼する医療機関の選定とリスト化」までを行った。したがって、感染状況が落ち着いたタイミングで即時に依頼ができるような準備は整っているため、緊急事態宣言の解除や感染者数の減少などを見極めて研究協力を依頼する。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度の進捗状況にて、質問紙の依頼と配布が即時に行える状況は整っている。倫理審査委員会の承認後、感染状況が落ち着いて緊急事態宣言等が解除されたタイミングで研究協力の依頼と質問紙の配布を開始する。しかし、COVID-19による医療現場の逼迫は、看護師の疲労度に影響を与えていることが予想されるため、令和3年度の感染状況が時期を見極めて実施する。
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Causes of Carryover |
COVID-19の感染拡大により当該年度に予定していた質問紙調査を次年度に延期し、質問紙の印刷費・郵送費、データ入力の謝金等の使用が次年度なったため。
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