2020 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の尊厳を重視したコミュニケーション力向上を目指す看護学生向け電子教材の開発
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20K19028
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
細田 恵莉奈 富山県立大学, 看護学部, 助手 (80846139)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 高齢者 / 認知症 / コミュニケーション / 教材開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、感覚・認知機能の低下のある高齢者の尊厳を重視したコミュニケーション力を向上させるために、看護学生を対象とした自己学習用のWeb教材 の開発と評価を行うことである。 今年度は、看護系出版社(8社)・看護・医療系の教材制作会社(2社)が2005年以降に発行した「老人看護・高齢者看護・認知症看護」の書籍(12冊)を対象に、感覚機能や認知機能の低下した高齢者とのコミュニケーションに関する記述内容を抽出した。抽出した内容をコード化し、コードからサブカテゴリー、サブカテゴリーからカテゴリーへとまとめた。出版年の新しい書籍には、ユマニチュードのケア技法(”見る・話す・触れる”を用いた包括的なコミュニケーション技法)やタクティールケア(“触れる”に焦点をあてた非言語的コミュニケーション技法)、パーソン・センタード・ケア(認知症高齢者を尊重して本人の言葉の意味を理解しようとするケア)に関する記述も見られた。さらに、昨今のIT技術進歩に伴い、独り暮らし高齢者のコミュニケーションツールとしてAIやICTを活用したコミュニケーションに関した記述も見られた。 また、看護学教員を対象とした半構成的面接の対象者を選定するために、大学ホームページやリサーチマップを活用して「教育経験年数5年以上、高齢者看護や認知症看護、看護技術、看護教育、教育評価の分野の研究に取り組んでいる教員」に関して情報を収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究計画では、感覚・認知機能の低下のある高齢者とのコミュニケーションに関する書籍および電子教材の分析が終了している予定であった。また、看護教員を対象とした半構成的面接による調査を予定していた。しかし、今年度は新型コロナウイルス感染に伴い遠隔授業に切り替える等、大学内の業務が増え、研究時間確保が難しい状況であった。そのため、電子教材の分析と半構成的面接による調査を実施することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
① 感覚・認知機能の低下のある高齢者とのコミュニケーションに関する電子教材の分析を行う。そのうえで、令和2年度に実施した書籍の記述内容の分析結果とも合わせて分析する。 ② 看護学生の感覚機能や認知機能の低下した高齢者とのコミュニケーションの実態について、看護学教員を対象とした半構成的面接法をZoomなどのオンライン会議機能を用いて実施する。得られたデータは質的に分析していく。 ③ ①②の結果を踏まえ、高齢者の尊厳を重視したコミュニケーションを学修するための看護学生向けの学習プログラムを設計する。そのうえで電子教材の作成、パイロットスタディへと進めていく。
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Causes of Carryover |
北陸地方3県および富山から日帰り可能な地域の看護系大学に勤務する教員を対象に、面接調査を予定していたが、新型コロナウイルス感染状況を考慮し中止した。令和3年度は繰り越した予算を用いて、再検討した調査方法によりデータ収集を行う予定である。
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