2021 Fiscal Year Research-status Report
バイオマーカーを活用した新規せん妄予測スコアの開発
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20K19046
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐久間 篤 東北大学, 大学病院, 助教 (90733759)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | せん妄 / バイオマーカー / 予測スコア |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も新型コロウイルス流行の繰り返しにより研究に遅延が生じたが、研究協力者と研究計画の見直しを重ね、昨年度開始した後方視的研究のデータ集積を進めるとともに、前方視的研究を開始することができた。前方視的研究の対象者は当院においてがん治療を実施する患者に設定した。外来時点から3ヶ月間の縦断調査を継続し、その間の入院中のせん妄の有無をアウトカムとすることとした。縦断調査を実施することにより、変調が生じ易い時期、発症に関わるバイオマーカー、効果的な早期介入の開発につながる要因等を明らかにしていくことが可能であると考えている。200症例の集積を目標に継続する。
2021年11月19日から20日に開催された、第34回日本総合病院精神医学会総会に参加し、本邦におけるせん妄早期介入の状況と今後の課題に関して情報収集を行った。いまだ臨床実践で使用可能なバイオマーカーが見つかっていない現状を認識し、一方で多様な試みが行われていることが共有できた。2021年12月16日から18日に開催された第51回日本臨床神経生理学会学術大会に参加し、せん妄に関するバイオマーカーに関して情報収集を行った。せん妄に関しては従来から脳波検査が客観的指標として用いられてきたが、多大なマンパワーを要することから繰り返し用いることができないことが課題となっている現状を認識した。また、せん妄に対する脳波検査は発症後に実施されていることから、客観的指標の有用性に制限が生じている状況が理解できた。今後はこの課題を解決することで、臨床現場に有用な指標の開発が可能になると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの流行により、必要最低限の診療以外の行為が難しい時期が多かったため。
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Strategy for Future Research Activity |
後方視的研究のデータを用いた予備的解析を実施するとともに、前方視的研究の症例集積を進めていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの流行により、国際学会等に参加できなかったことから残額が生じたと考えている。次年度は、成果を学会や論文化により積極的に公表していく予定である。
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