2022 Fiscal Year Research-status Report
統合失調症患者の身体組成データの評価と効果的な運動療法に関する研究
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20K19053
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山之内 智子 京都大学, 医学研究科, 助教 (90829384)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 統合失調症 / 身体組成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は統合失調症患者の身体組成データに焦点を当て行われるものである。統合失調症患者の地域移行を進める上では、精神症状のコントロールだけでなく身体的健康維持の問題が喫緊の課題であるが、本邦において統合失調症患者の身体組成データの評価についての十分なエビデンスは得られていない。そのため統合失調症患者の身体特性を考慮した標準化された運動療法の確立には至っていない。そこで本研究では統合失調症患者を対象に、筋肉量や脂肪量などの立位保持・歩行といった基本動作能力に関連する指標、筋量の左右差や部位間比などの身体機能を測る上で重要な指標などについて測定し評価する。そして、それらの基礎的な身体組成データを蓄積した上で統合失調症患者を対象とした体力医学的にも妥当性の高い運動療法について検討し、統合失調症患者の身体的健康の維持向上に寄与することが本研究の目的である。 本年度はCOVID-19感染者増加の影響にて、調査施設との円滑な連携が困難な状況であった。長引くCOVID-19の影響下で、経営体制が変更した調査施設があり協力関係を継続することが難しく調査施設の一部変更を行った。一方で調査施設との検討を重ねる中で、現場の専門職からの貴重な示唆を得ることができ、研究計画をより現状の問題に合致した内容へ改訂した。本研究の主な測定対象は筋肉量や脂肪量などの身体組成データであるが、先行研究において活動量の低下が影響することが報告されている心理指標との関連、簡便な筋力測定機器の併用などの検討が進み、よりCOVID-19の影響を加味した手法への新たな進捗をみた。修正案への対応が必要となり研究計画の進捗はやや遅延傾向にあるが、現状に即し現場専門職のニーズにも呼応した内容へ階梯を進めたことは研究全体としては重要な進捗を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は調査計画の修正だけでなく、特に下半期以降にCOVID-19の感染者が急増したことへの対策に多くの労力を割くことになった。調査対象施設でCOVID-19感染者が増加したための研究の一時中断だけでなく、本学の指針が厳格であったため教育業務においても臨地実習計画・実習施設の変更を余儀なくされ、関連業務が飛躍的に増大したことで教育のエフォートが増大し、研究遂行が遅延を来した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は修正版の調査計画の遂行と結果の解析、学会や論文での成果発表を目指す。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により教育業務の増大、研究遂行の遅延が生じたため、次年度への繰り越しが生じた。本年度使用予定であった物品費その他の予算については、次年度に計上する。
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