2021 Fiscal Year Research-status Report
心不全終末期患者へのエンドオブライフケア:苦痛緩和への実践内容・評価の明確化
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20K19055
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Research Institution | Chiba Prefectural University of Health Sciences |
Principal Investigator |
坂本 明子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 助教 (50634515)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 心不全看護 / 終末期ケア / 苦痛緩和 / 評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、熟練看護師の心不全終末期患者への苦痛緩和の実践と実践後の評価ついて明らかにすることである。2021年度は1)心不全患者からみた苦痛に関する文献検討、2)心不全患者が求める緩和ケアに関する文献検討、3)インタビュー内容の見直し、4)新たなインタビュー内容を含んだ調査計画の立案と準備に至った。1)~4)の実績に関する詳細は次の通りである。1)2)では、従来予定していた「熟練看護師の心不全終末期患者への苦痛緩和への実践内容」インタビューガイド、調査計画書を作成し、所属施設の倫理審査委員会から承認を得ていた。しかし、患者の経験から導かれる「苦痛」の身体心理社会霊的な知覚は、患者によって極めて個別性があるという先行文献から、患者からみた苦痛と患者が求めるpalliative careについてのレビューの必要性を判断した。CiNiiとPubMedを検索エンジンとし、研究論文と学術誌掲載の特集記事を含む公開された幅広い論文をレビューを追加した。3)では、前項から明らかになった患者からみた苦痛と求めるケアから、半構造化面接のガイドの項目の見直しを行った。4)では、新たに調査計画書を作成し、所属施設の倫理審査委員会受審の準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は苦痛緩和への実践内容とその評価についてのインタビューまで進める計画であった。しかし看護師へのインタビュー内容の準備を進める上で、看護師が行った実践やその評価が心不全患者にとってどのような位置づけとなるかの視点を持つ必要性が生じた。よって、心不全患者からみた終末期の苦痛や緩和ケアへ求めることに関する文献レビューを追加した。また、調査対象フィールドについて、COVID-19に関連した繁忙状況によりアクセスが難しい状況もあった。 上記、追加レビューと調査対象フィールドの状況により、本研究計画はやや遅れている段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、今年度実施する予定であったインタビューを行い、看護師が捉える患者のニーズと実施した苦痛緩和ケアの内容、その評価を抽出していく予定である。
インタビューにあたっては、対象者の希望がなければ原則的にWEB会議システムを用いて実施する予定である。しかし新型コロナウィルス感染症の対象者の負担を考慮する必要があるため、調査依頼予定の施設への交渉では、配慮しながらすすめていく。
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Causes of Carryover |
年度内にインタビューを開始することができず、未使用額が生じた。また、コロナ禍で参加予定であった学術集会がWEB開催となったため、使用予定であった旅費が未使用となった。来年度データ収集施設においてデータ収集を実施するための旅費、インタビュー後のテープ起こし代、謝金等に使用する予定である。
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