2021 Fiscal Year Research-status Report
肥満皮膚の病態に着目した創感染に対する新たな看護ケアデバイスの開発
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20K19056
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
福田 真佑 横浜市立大学, 医学部, 助教 (30803465)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 機械刺激 / 創傷 / 創傷治癒 / 肥満 / 創感染 / ケアデバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満は術後の創感染リスクの増大因子であり、肥満者は非肥満者よりも創感染の発生率が高い。本研究の目的は、慢性創傷に対して創傷治癒促進効果が認められているバイブレーションセラピー(振動刺激)の肥満皮膚の創感染に対する有効性を明らかにすることである。本研究では、振動刺激による、肥満(皮膚)の病態および創傷部位の変化に着目した解析を行う。 今年度は、肥満モデルマウスにおける創部皮膚の病態変化および感染との関連について明らかにすることを目的として解析を行った。 肥満モデルマウスの背部に全層欠損創を作製し、創傷作製日(PWD)0~14まで毎日振動刺激を行った振動刺激群と、対照群の2群に分け、各群の肥満モデルマウスの創部の皮膚組織を用いて、創部の創傷治癒関連因子の発現と浸出液の変化を調べた。創傷治癒関連因子として、創傷治癒過程の炎症期において白血球の遊走を促進するケモカインファイミリーの一つであるMCP1の発現解析を行った。その結果、創傷治癒過程の炎症期に該当するPWD3における2群のMCP1の発現量は、対照群よりも振動刺激群で有意に低下していた。また、振動刺激群は、すべてのPWDにおいて対照群よりも滲出液量が多く、PWD3~4にかけて滲出液量が増加していた。 今後は組織学的解析を含めて浸出液の変化をもたらす要因を解明し、振動刺激による創部皮膚の病態変化および感染との関連について明らかにしていく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は組織学的解析を行い創部の病態変化と感染との関連を検討する予定であったが、浸出液の構成成分の検証に用いる機器の変更が生じ、代替法の検討と分析に時間を要した。よって今年度は浸出液の変化と創部における遺伝子の発現解析までの進捗となった。
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Strategy for Future Research Activity |
創部の病態変化と感染との関連を検討するために、創部における創傷治癒関連因子の発現解析と組織学的解析を進めていく。
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Causes of Carryover |
当初予定していた実験と解析の遅延および旅費分の支出が生じなかったため。次年度使用額は、実験の実施および解析に用いる試薬や消耗品の購入費および旅費に使用する。
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