2023 Fiscal Year Annual Research Report
慢性心不全患者のACPを推進するための情報共有ツールおよび運用モデルの開発
Project/Area Number |
20K19068
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
樋口 佳栄 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (00460098)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 慢性心不全患者 / アドバンスケアプランニング / 情報連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的:慢性心不全をもちながら暮らす人々を支援するため、アドバンスケアプランニング(Advance Care Planning:以下 ACP)に関連する情報としてどんなことを共有しようとしているのか、どのようにしたら関係者間で共有できるのかといった実践的視点で調査を行い、慢性心不全患者のACPを促進する情報共有ツールおよび運用モデルの試案を作成することであった。 方法:その分野の専門家グループに対し調査を繰り返すデルファイ法を参考とした。文献検討から看護師が主軸となるモデルが望ましいと考えられたため、看護師を参加者とした。具体的には病院と地域で慢性心不全患者に関わっている認定/専門看護師を参加者として、具体的な実践内容や意見を複数回収集し、目的に照らして分析を行った。 結果:14名の参加者を得た。背景は心不全/慢性心不全認定看護師5名、訪問看護認定看護師1名、緩和ケア認定看護師1名、慢性疾患看護専門看護師4名、地域専門看護師2名、重症・集中看護専門看護師1名であった。調査から、1:暮らしを軸にしたACPの基本理念および理念共有の重要性、2:ACPコミュニケーションの階層構造(2つのレベルがあること<レベル1;関係者全員が可能であるが意識化して初めて情報となるレベルの会話><レベルⅡ;生死に関連した話題に踏み込むレベルの会話;医療者側もその対話を行うことが適しているかといった判断が必要なレベルの会話>)、3:暮らしを軸にしたACPの理念を共有し関係者とともに具体的につなぐエピソード、が抽出された。 成果:結果をもとに、暮らしを軸としたACPの理念および連携しながら実践する構造についてモデル図で示し、内容を記述した。参加者らにその結果を示して意見をもらい、洗練させて、冊子形式にまとめた。
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