2020 Fiscal Year Research-status Report
精神科のトラウマケアを向上するICTを用いた教育プログラムの開発
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20K19095
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Research Institution | Chiba Prefectural University of Health Sciences |
Principal Investigator |
加藤 隆子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 講師 (00794736)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | トラウマケア / 精神科 / ICT / 教育プログラム / 感情活用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、①トラウマ体験者を支援する援助者は、どのような体験をしているのか、支援にまつわる感情や思考、行動、援助への姿勢、そしてそれらに影響している要因、教育ニーズや課題を明らかにすること、②トラウマ体験者はどのような支援ニーズを持っているのかを明らかにすること、③援助者への教育プログラムを開発することである。これらによって、精神保健福祉医療における援助者のトラウマケア実践能力の向上を目指す。 2020年度は、地域で生活するトラウマ体験者を多様な場で支援する多職種の援助者にインタビューを行い支援の状況や支援ニーズを明らかにした。その結果、トラウマを扱うことの困難感を持ちながらも関わりに手ごたえを感じるまでの様相や支援の基盤として、利用者主体の関係性づくり、安全で安心な環境の提供、独自の専門性にねざす協働の必要性が分かった。また、トラウマ体験者へのインタビューを開始し、トラウマからの回復に影響を与える要因として援助者とのふれあいや援助者による主体性を尊重した関わり、虐待の経験と向き合う環境、当事者自身がもっている力などがあることが分かってきた。さらに、当事者にとってトラウマ体験を語ることの意味や自分らしさを獲得していく過程について検討しているところである。2021年度は引き続き当事者へのインタビューを行い、当事者の体験と支援ニーズを明らかにして、援助職者への教育・支援プログラムを作成するための、内容の検討を行っていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の感染拡大の影響で、研究調査対象施設や研究協力者への依頼を順調に進めることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
調査対象施設を厳選し、研究対象者の数を少数に絞って、研究対象者の確保をしたい。2021年度もCOVID-19感染状況に研究の進捗が影響されることをふまえ、教育・支援プログラムの検討などできることを進めていきたい。
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Causes of Carryover |
研究Ⅱが遅れていることことから若干の余剰が生じたが、次年度に繰り越し予定通り研究を遂行していく。
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Research Products
(3 results)