2022 Fiscal Year Annual Research Report
在宅で補助人工心臓を装着する終末期心不全患者と介護者の支援モデルの構築
Project/Area Number |
20K19104
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Research Institution | Okinawa Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
永野 佳世 沖縄県立看護大学, 看護学部, 研究員 (90709510)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 在宅治療 / i-VAD / 介護者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終年度は、植込型補助人工心臓(implantable Ventricular assist device、以下i-VAD)装着患者を支援する医療施設と訪問看護ステーションによる多施設合同カンファレンスを開催した。i-VADの実施施設と管理施設の医師、看護師、理学療法士、臨床工学技士と、実際にi-VAD患者を支援している5つの訪問看護ステーションの看護師を対象に、現地とWeb会議システムを用いたハイブリッドで実施した。会に先立ち、Destination therapyとしてのi-VAD在宅管理に経験の深い他県の医師と移植コーディネーターを招き、その経験や課題についての講演をいただき、参加者間でディスカッションを行った。カンファレンスでは、特にi-VADという特性上、通常の在宅療養患者より、はるかに密に医療施設との連携や情報共有の課題があることが再認識された。医療施設からは見えていない、訪問看護ステーションからの報告書では書けない、在宅での個別の状況があることについて参加者間で認識された。 今後もこのような多施設合同カンファレンスが定期的に必要であると特に在宅支援者である訪問看護ステーションより希望があった。 最終年度で予定していたDestination therapyとしてのi-VAD患者と介護者へのライフラインメソッドを使ったインタビュー調査については、COVID-19の感染状況を鑑み、施設から許可を得ることも困難であり、断念せざるを得なかった。 i-VADのDestination therapyは今後、増加していくことが予想される。加えて現在心臓移植を待つi-VAD患者においても、さらに長期化しているi-VAD患者と介護者の支援の課題はまだ未知の部分が多く、終末期におけと介護者の在宅治療にかかわる支援モデルの構築に向けて、さらなる研究の継続が不可避である。
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