前立腺全摘出術直後の尿失禁量を軽減するための術前の骨盤底筋体操の確立

2020 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 20K19105
• Research Institution: Health Sciences University of Hokkaido
• Principal Investigator: 米川 弘樹 北海道医療大学, 看護福祉学部, 助教 (60825412)
• Project Period (FY): 2020-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: 前立腺がん / 前立腺全摘出術 / 腹圧性尿失禁 / 骨盤底筋体操

Outline of Annual Research Achievements

本研究は、前立腺全摘出術を受けた患者の手術直後の尿失禁量の軽減および予防を目指した、術前の骨盤底筋体操の方法を確立することを目的とする。以下を段階的に明らかにする。①前立腺全摘出術に対する骨盤底筋体操の指導および尿失禁量の実態調査を行う。複数施設に対し、現在どのように骨盤底筋体操が指導され、患者が取り組んでいるのか。膀胱留置カテーテル抜去後の尿失禁量を調査を行う。骨盤底筋体操と尿失禁量の関連に関して統計学的に分析を行う。②術前骨盤底筋体操の実施方法及び、実施期間の検証および確立を行う。術前からの骨盤底筋体操を実施し、実施期間及び実施方法を調査。手術直後の尿失禁に対して最も効果の高いと見込まれる術前の骨盤底筋体操の実施方法を、統計学的に算出する。
令和2年度は、前立腺全摘出術後の尿失禁量の実態調査及び骨盤底筋体操の指導の実際に関して複数施設を対象に訪問調査を行う方針であったが、COVID-19の影響により実態調査は実施不可能となった。COVID-19の情勢が落ち着き次第、施設への調査を行うことを検討したが実施は困難であった。今後の同様の状況が続くことが予測される。上記より質問紙調査への変更に向け、前立腺がん術後尿失禁を生じる要因の文献検討を実施した。手術要因もある一方で、患者要因の重要性も示唆されるが患者要因の詳細については明らかになっていなことが分かった。②の介入に向け、骨盤底筋体操の習得に向けて口頭での説明とパンフレットを用いた説明の差を検証するため、令和2年度に成人8名を対象とした予備調査を実施した。先行研究の介入内容、現在配布されているパンフレットおよび予備調査の内容の元、介入にむけたパンフレット作製を継続する。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

令和2年度には、前立腺手術を実施している医療施設3～5か所施設への訪問および調査を予定していた。しかし今年度のCOVD-19の影響により施設に訪問することが出来ず、調査を実施することが困難な状況下となったため訪問調査を実施することはできなかった。令和4年度の介入に向け、骨盤底筋体操のパンフレットの作成に向けては、8名の対象者に対して簡易なプレテストを実施した。得られたデータを元に、パンフレットを作成し、今後も検討を行う。

Strategy for Future Research Activity

令和3年度もCOVID-19による影響が続き、施設への訪問が難しい状況となる可能性が高い。介入研究に向けては、実態を把握するための方法として、訪問調査からアンケート調査への変更を検討している。令和3年度にて調査が勧められるよう準備を進める。
令和4年度の介入に向けてはパンフレットの作成に向け、先行研究の実施内容、既存のパンフレットの内容および研究者の調査内容を元に作成を進める。

Causes of Carryover

令和2年度は訪問調査を予定しており、旅費・謝金の仕様を検討していた。しかしCOVID-19の影響により学会への参加や移動が出来ない状況となり、予算の執行率も低下している状況にある。令和3年度も同様移動が難しい状況となることが推察されるが、研究成果が出せるよう質問紙法に変更するなど検討する。方法の変更に伴い予算の執行割合が変更となる可能性があるが、予算の範囲内で研究は遂行可能であると判断する。