2022 Fiscal Year Research-status Report
The effect of psychoeducation to promote self-care ability of schizophrenic patients living in the community
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20K19107
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Research Institution | Tokiwa University |
Principal Investigator |
池内 彰子 常磐大学, 看護学部, 教授 (10458242)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 統合失調症療養者 / 地域生活 / セルフケア能力 / 心理教育 / 介入研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域生活を送る統合失調症療養者がリカバリーを促進していく過程で必要となるセルフケア能力の向上に着目し、地域生活を送る統合失調症療養者のセルフケア能力の向上をめざした心理教育プログラムを作成し、地域生活を送る統合失調症療養者に心理教育プログラムを実施し、その効果を検証することを目的としている。 本研究は、以下の3つのプロセスから構成されている。第1段階として地域生活をしている統合失調症療養者の日常生活におけるセルフケア行動の実際の状況をインタビューを通して把握する。次に第2段階として、第1段階の研究成果を基盤とした地域生活をしている統合失調症療養者のセルフケア能力の向上をめざした心理教育プログラムを考案する。さらに第3段階として、地域生活をしている統合失調症療養者にその心理教育プログラムを実践しその効果を検証する。 令和4年度は、第1段階の研究として、心理教育プログラム内容を考案するための基盤となる心理教育プログラム対象者のニーズ把握を目的としたインタビューを実施した。インタビュー対象者は11名(女性5名、男性6名)であった。インタビュー内容を質的、帰納的に分析し、地域で暮らしている統合失調症療養者のセルフケアの実際として、毎日の体調管理や、症状コントロール、対人関係における工夫や生活を送る中での困難感等に関する4カテゴリーが導出された。さらに第2段階として、インタビュー結果を基盤とした心理教育プログラムを考案した。心理教育プログラムの内容は、統合失調症に関する知識、生活習慣病に関する知識、セルフケア行動と精神症状とのつながりについて教材を用いて説明し、セルフケア能力向上のための工夫、生活をより良くするためのコツについてグループで話し合うという内容とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画では、令和4年度は、令和3年度に実施予定であった地域生活をしている統合失調症療養者へのセルフケアの実践状況に関するインタビュー結果を基盤にした心理教育プログラムを考案し、その心理教育プログラムを用いた介入を実践する予定であった。 しかし、新型コロナウイルス感染拡大の状況がなかなか安定せず、令和3年度の段階でインタビュー実施と心理教育プログラムの考案には至らなかった。その後感染拡大が落ち着いてきた令和4年度7月からインタビューが実施でき、その結果を基盤にした心理教育プログラムを考案した。 このため、当初計画していた令和4年度の心理教育プログラムによる介入、およびその効果検証は令和5年度に実施することとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進計画として、令和5年度は、当初令和4年度に実施する計画であった地域生活をしている統合失調症療養者20名を対象とした、セルフケア能力向上に着目した心理教育プログラムを実践し、その効果について検討する。 心理教育プログラムの参加者として、精神科デイケア、就労支援施設、地域活動支援センターに通所する、精神状態が安定している統合失調症療養者にリクルートする。 心理教育プログラムは、疾患(統合失調症)に関する知識、生活習慣病に関する知識、セルフケア行動と精神症状とのつながりについて教材を用いて説明し、セルフケア能力向上のための工夫、生活をより良くするためのコツについてグループで話し合うという内容で、1回90分として日を変えて2回実施する。 心理教育プログラムによる介入の効果検証として、介入前後および、介入1ケ月後に、SCAQ(Self-CareAgencyQuestionnaire)尺度、特性的自己効力感尺度、自己管理スキル尺度を測定し比較検討する。また介入1ケ月後に生活状況についてインタビューを行い、心理教育プログラムの効果について評価する。
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Causes of Carryover |
令和5年度は、令和4年度に実施する予定であったが実施にまで至らなかった、地域生活をしている統合失調症療養者のセルフケア能力の向上をめざした心理教育プログラムを実践しその効果を検証する。そのため、心理教育に使用する教材作成の費用、研究参加者のリクルートにかかる旅費、心理教育プログラム実施に伴う旅費、会場借り上げ費用、研究参加者への謝礼、介入後の研究参加者へのインタビューのための旅費、介入後の研究参加者へのインタビューに対する謝礼、インタビューデータを逐語録にするための人件費、研究成果を論文にまとめる際の文複写費、研究成果を国内外の学会で発表するための経費を使用する予定である。
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Research Products
(1 results)