地域生活を送る精神疾患患者の心理的災害耐性を高める防災・発災時手帳の作成

2021 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 20K19114
• Research Institution: Tokyo Health Care University
• Principal Investigator: 小川 賀惠 東京医療保健大学, 看護学部, 助教 (30848693)
• Project Period (FY): 2020-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: 地域生活 / 精神障害者 / 訪問看護 / 精神科デイケア / 災害耐性 / レジリエンス / 防災意識 / 災害対策

Outline of Annual Research Achievements

本研究は、地域生活を送る精神障害者および訪問看護師に対し防災意識および災害対策の実態を調査し、災害対策や発災時の対応の課題を明確にすることによって、発災時に自己の精神的健康状態を医療者や救援スタッフに正確に伝え適切な支援を受けやすくし、精神障害者の災害耐性を高め、発災時に医療者からの適切な医療提供を受けることを可能とする精神障害者用の防災・発災手帳を開発することを目的としている。本年度は、地域で生活する精神障害者とその支援をしている訪問看護師の災害対策及びそれに関わる支援について更に文献検討を行うと共に、防災・発災手帳を開発のための実態調査について調査対象機関との調整を行った。
まず、文献検討や学会参加、研究協力者との検討を通し、地域で生活する精神障害者と支援者の災害対策の課題を明らかにするために、災害対策に対する困難感とその関連要因を明らかにする必要性があると考えた。
次に、地域で生活する精神障害者の災害対策の実態と、災害対策の困難感についての関連要因を明らかにするために精神科デイケアの利用者に対する調査を計画した。精神科デイケアを有する精神病院に調査依頼をしたところ、依頼時に施設内においても新型コロナウイルスの感染が急拡大しており、2021年度内の介入調査は難しいとの回答を得た。
さらに、地域で生活する精神障害者の支援を行っている訪問看護師の災害対策支援の実態と災害対策支援に関する困難感および関連要因を明らかにするため、訪問看護ステーションに勤務している看護師に対するwebによる質問紙調査を計画した。現在、研究者所属機関における研究倫理委員会の審査中である。
この結果を基に、地域で生活する精神障害者への調査を行い、防災対策の実態および課題を明らかにし、地域で生活する精神障害者や支援を行う訪問看護師のニーズに合わせた防災・発災手帳の開発を行っていく。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究対象施設において新型コロナウイルスの感染が急拡大したことにより、2021年度は調査研究の許可が得られなかったため。

Strategy for Future Research Activity

新型コロナウイルスの感染状況を鑑みながら、研究対象に介入可能な方法を模索しながら研究を行っていく。

Causes of Carryover

本年度に予定していた調査研究が新型コロナウイルスの感染拡大により実施不可能であったため。次年度に実行可能な方法に再計画し調査研究を実施する予定である。