2020 Fiscal Year Research-status Report
医療的ケアの必要な子どもの親が「主体的に災害へ備える力」を育むプログラム開発
Project/Area Number |
20K19128
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
高村 理絵子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (00824202)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 医療的ケアの必要な子ども / 親 / 主体的に災害へ備える力 / プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、近年の大災害に加え、近い将来にも災害発生の切迫性が指摘されている我が国において、医療的ケアの必要な子どもの親が、災害時に自分や子どもに起こりうる危機について認識し、その上で自ら災害の備えについて考える力に働きかけ、「主体的に災害へ備える力」を育むプログラムの開発である。 本研究は3年で行うことを計画している。自宅で過ごす医療的ケアの必要な子どもの親を対象に、災害の備えに関する認識・知識・技術について享受するだけでなく、親同士での情報交換や共有を通して相互作用やエンパワーメントされ、主体的な災害への備えが行動化されるプログラムを構築する。さらに、1か月後に縦断的調査を行い、プログラムの効果について検証する。 今年度は、研究初年度で、自宅で過ごす医療的ケアの必要な子どもの親が災害への備えをどこまで行うのが現実的であるか把握し、「主体的に災害へ備える力」を育むプログラムを構築するため、『医療的ケアの必要な子どもの親における災害への備えの概念分析』を行った。その結果、医療的ケアの必要な子どもの親における災害への備えは,「災害時を想定し準備された医療的ケアの継続に必要なもの・人・体制づくり,および様々な場面のシミュレーション」と定義された。今後は、今回得た概念分析の結果を学会で発表し、論文投稿していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、医療的ケアの必要な子どもの親にとっての災害への備えを明らかにしたが、当初の目的であったプログラムの構築までは至っていない。今後プログラムを構築し、プログラムの前後で行う予定としている質問紙を作成し研究を進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、プログラムを構築し、プログラムの前後で行う予定としている質問紙を作成し医学系研究倫理審査委員会にかけ研究を進めていく予定である。 また、医療的ケアの必要な親を対象としたプログラムによる介入を行い、災害への備えに対して主体性に取り組めているかを分析し、プログラムの効果を検証する。
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Causes of Carryover |
本年度は新型コロナウイルスの影響を受け、本研究のエフォートが低下したこと、すべてオンラインでの学会や打ち合わせとなったための旅費がかからなかったことから、次年度使用が生じた。 次年度は、当初対面式で行う予定であったが、この状況を顧みてプログラムの実施をオンラインで行うなど方法の修正が必要となったため、対象者がオンラインでできる環境を整えるための物品に使用していく予定である。
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