2020 Fiscal Year Research-status Report
食物アレルギーをもつ学童前期の子どもの疾患理解のための教育プログラム開発
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20K19137
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
松本 美子 富山県立大学, 看護学部, 助教 (80840503)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 食物アレルギー / 小児アレルギーエデュケーター / 患者教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、食物アレルギー児自身が疾患を理解し、セルフケア遂行につながる学童前期の子どもの発達段階に応じた教育方法を開発し、その評価を行うことである。 今年度は、学童前期の子どもの発達段階に応じた教育媒体作成のための基礎資料を得るために、小児アレルギーエデュケーター(PAE)による食物アレルギー児とその家族に対する教育の実態調査を行った。PAE473人中157人の回答が得られ、127人が食物アレルギー児へ何らかの教育を行っていた。小児アレルギーエデュケーターテキストより抽出した食物アレルギー児への患者教育項目の中で実施が半数を超えていた項目は、エピペンの使用方法、症状対処、症状、食物経口負荷試験、救急要請の仕方、誤食防止、自己効力感の強化、パートナーシップの確立、治療目標の共有であり、教育内容の充実が課題であると考えられた。 また、患者教育項目ごとの教育開始年齢を見ると、自己効力感の強化やパートナーシップの確立、疾患の理解・受け入れの確認などの支援を中央値5歳より開始していた。食物アレルギー児に対するアドヒアランス向上を図ったうえで、6歳以降食物アレルギー児の理解力に応じて症状や病態生理、食物経口負荷試験などの具体的な疾患や治療などの教育を実施していることが示唆された。 この研究成果は、第37回小児臨床アレルギー学会で発表予定である。 今後は、今回得られた知見をもとに、教育媒体の作成を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19により研究活動に制限があり、小児アレルギーエデュケーター(PAE)による食物アレルギー児とその家族に対する教育の実態調査に時間を要したため、当初の計画よりもやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、小児アレルギーエデュケーター(PAE)による食物アレルギー児とその家族に対する教育の実態調査から得られた知見をもとに学童前期の子どもの発達段階に応じた教育媒体を作成し、実際に学童前期の食物アレルギー児にその媒体を使用した教育を行い教育媒体の評価を行う予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19の感染拡大のため予定していた参加学会がオンラインでの開催に変更となり、旅費を使用しなかったため次年度使用額が生じた。 令和3年度は教育媒体作成のための材料や実際に食物アレルギー児への教育を行うための機器、データ分析のためのノートパソコンの購入や研究対象者に対する謝礼等に使用する。また、学会成果発表に使用することを計画している。
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