2021 Fiscal Year Research-status Report
A study on the interaction between women and midwives in midwifery care
Project/Area Number |
20K19139
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
大和田 裕美 静岡県立大学, 看護学部, 助教 (40850722)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 女性-助産師関係 / 相互行為 / 現象学 / 相互行為分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、妊娠・出産する女性と助産師との関係の中でなされるケアがどのようにして成り立っているのかを、具体的な助産ケア実践場面における相互行為の分析から明らかにし、女性が満足できる妊娠・出産のための助産ケアを検討することである。 2年次である令和3年度は、前年度までに収集したデータ(助産ケア実践場面の録音・録画データ、助産師へのインタビューデータ)をもとに、フッサールにより提唱された現象学およびその影響を受けて発展したエスノメソドロジーを手がかりとした分析を行った。分析においては、助産師が語る女性との関係が、「私は」と助産師自身を主語としながら女性の視点を含むことや「私も」と女性と助産師自身とが並べられること、助産師が女性とどのように関わるかだけでなく女性が助産師とどのように関わろうとしているかを含むことに注目をした。また、妊婦健診、乳児健診、産科病棟での検温などの助産ケア実践場面の観察から、その場でなされること、つまり女性や助産師によって経験されることが両者の相互行為の中で成り立っていることにも注目した。これらの視点から分析をすすめ、妊娠・出産する女性と助産師との関係が互いを自他として明確に区別する以前の状態において経験されるものであることを第47回日本保健医療社会学会大会(5月)および関連研究会において発表した。 次年度は、関連学会・研究会での発表および討議を踏まえて分析・考察を洗練させ、関連学会誌への論文投稿を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では1年次にデータ収集と分析、2年次に分析および論文投稿による研究結果の公表を計画していた。covid-19感染拡大の影響により1年次に実施していた調査の継続が困難になり、2年次に新たに研究参加者をリクルートする必要性が生じたことから、データ収集期間を当初の計画よりも延長することとなった。そのため、データ分析も計画よりも遅れ、2年次に論文投稿へ至ることはできなかった。次年度は、研究結果の公表に向けて論文投稿を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も引き続きデータ分析を進め、関連学会・研究会での発表・討議によって分析・考察を洗練させていく。研究結果を論文にまとめ、関連学会誌への投稿を進めていく。
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Causes of Carryover |
covud-19感染拡大により、予定していた研究打ち合わせや学会・研究会がオンライン開催となったことから旅費を使用しなかった。 次年度は、感染状況に留意しながら国内外の学会・研究会等へ参加し研究成果を発表するとともに、関連学会誌への論文投稿を進めていく。
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