2023 Fiscal Year Annual Research Report
医療・学校連携型医療的ケア児の就学前看護援助モデルの構築
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20K19142
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
岡本 奈々子 (松崎奈々子) 東京医科大学, 医学部, 助教 (60761781)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 医療的ケア児 / 就学 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度、小学校課程へ通学している医療的ケア児(以下、児)の家族を対象に、無記名自記式質問紙調査を実施した。令和4年度は育児休業のため研究活動を中断した。最終年度はその結果を分析し、考察した。 174部を配布し62部を回収し、有効回答56部を分析した。回答者は全て母親であった。医療的ケアの数は延べ135であり、医療的ケアの数が2つ以上の児は41名であった。就学先を考え始めた時期の児の年齢は5才が22名(39.3%)と最も多かった。就学について看護師や保健師の支援が「あり」23名(41.1%)、「なし」30名(53.5%)、無回答3名(5.4%)であった。記述内容は内容分析の手法を参考に分析した。経験した困難として【周囲の理解が不足していること】【ケアによっては学校が対応してくれないこと】等10カテゴリーが形成され、家族の求める支援として【多機関・多職種が有効的に連携してほしい】【家族自身を多様にサポートしてほしい】等8カテゴリーが形成された。児に応じた学校での医療的ケア実施体制の構築、通学や放課後を支える資源の充実化、就学するための仕組みの明瞭化、家族が行う手続きをサポートする体制、看護職が家族とともに児の体調管理やケアの調整を行うことの重要性が示唆された。研究論文を執筆し投稿を行った。 就学に向けた医療的ケア児の課題を明らかにすることはできたが、看護モデルの構築には至らなかった。調査結果から医療的ケア児の就学支援には看護職だけでなく多職種での支援が不可欠であり、看護モデルの構築を目指す当初の研究計画には見直しが必要だと考えた。また、令和3年には医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律が施行され、研究期間中に医療的ケア児を取りまく状況の変化があったことからも、今後はこれらの状況と調査結果を踏まえて研究計画を見直し、継続した研究活動を実施していく。
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