Analysis of psychological care including prevention of postpartum depression performed by midwives in an accommodation-type postpartum care facility

2020 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 20K19144
• Research Institution: Kitasato University
• Principal Investigator: 桑原 さやか 北里大学, 看護学部, 助教 (70866376)
• Project Period (FY): 2020-04-01 – 2022-03-31
• Keywords: 宿泊型産後ケア / 産後うつ / 予防 / 心理的ケア / 助産師

Outline of Annual Research Achievements

本邦では、少子化対策、産後うつ病や児童虐待予防の一環として、妊娠期からの切れ目ない支援を提供することで産後の母親の心身の安定を促進し、健やかな育児ができることを目標に2017年度より産後ケア事業が開始された（厚生労働省，2017）。これまでも、助産師は妊娠期からの継続支援、産後うつ病の予防的支援を提供してきたが、短時間かつ一時的な支援に留まっていることが課題であった。しかし、研究者は「宿泊型産後ケア施設」において、助産師が継続した心理的ケアを行うことで、産後うつ状態の母親のメンタルヘルスが回復していく過程を経験した。このため、先駆的に産後ケア事業に取り組む「宿泊型産後ケア施設」において、助産師が行う継続した心理的ケアを明確にしたいと考えた。そこで、本研究の目的は、継続した心理的ケアを提供することができる「宿泊型産後ケア施設において助産師が行う産後うつ予防を含む心理的ケア」を明らかにすることである。
2020年度は、所属施設の研究倫理審査における審査を受け、指摘箇所を追記修正したのちに承認を得た。3月に順次研究計画書を対象施設（14施設）へ発送した。同意書の返信およびスケジュール調整が可能であった1施設の助産師を対象に事前アンケートの結果をもとにインタビューを実施した。その結果、「宿泊型産後ケア施設」において実施している心理的ケアは、心身の休息を促すこと、特別な声掛けをするのではなく傾聴する中で相手のニーズを引き出すこと等が明らかになった。
2021年度は、同意書の返信があった残り7施設の助産師を対象に、事前アンケートの結果をもとにインタビューを実施、データ分析を行い、学会発表の準備に取り組む。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究計画当初は、大学病院や公的病院、診療所、助産院や宿泊型産後ケア施設等、さまざまな施設（11施設）を対象としていたが、現時点において助産院6施設、宿泊型産後ケア施設2施設からの同意となっている。
施設に偏りが生じているものの、おおむね順調にインタビューの日程が決定しており順調に進展していると考える。

Strategy for Future Research Activity

2021年度は、同意書の返信があった残り7施設の助産師を対象に、事前アンケートの結果をもとにインタビューを実施、データ分析を行い、学会発表の準備に取り組む。

Causes of Carryover

2020年度は、covid-19感染拡大による緊急事態宣言発令等の影響により、直接訪問して行う予定であった研究説明およびインタビュー調査が困難であった。このため、実施方法に関する研究計画の修正に時間を要したこと、当初計画していた訪問のための交通費が大幅に減少したことが最大の要因である。
また、購入予定としていたパソコンの機種変更やMicrosoft officeの購入中止、プリンターの購入中止等、当該年度の研究施設から様々な購入計画の変更指示があり、次年度使用額が生じた。