2020 Fiscal Year Research-status Report
乳児期の沐浴・入浴時の危険を防ぐ母親と家族のためのデジタルコンテンツ教材の開発
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20K19151
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
近澤 幸 大阪医科大学, 看護学部, 助教 (90826306)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 乳児期 / 沐浴 / 入浴 / 危険 / 実態 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、乳児期に沐浴・入浴を実施する家族の危険な体験をもとに家庭向けの教材を作成し、家庭で起こる危険を防ぐことを目的とする。わが国では、乳児の沐浴・入浴を実施する上で危険につながる多くの要因がある。毎日沐浴・入浴を実施する中で、溺水などの報告にはあがらない危険を体験している家族も存在すると推察される。本研究では、乳児期の沐浴・入浴を実施する家族の危険な体験をもとに分析する。その上で、母親と家族の危険な体験を踏まえた、「家庭での乳児の安全な沐浴・入浴のデジタルコンテンツ教材」を作成、評価・検証する。さらに、再評価した上で公表へと発展させる。 当該年度では、第1段階として、家族の沐浴・入浴の危険な体験に関する実態調査を行った。また、乳児の入浴に関連した危険の内容と要因に関して国内外の文献を検討し、事故の症例報告が中心に研究されていること、入浴時に発生する事故の発生内容には、溺死や転落、熱傷などがあり、児の生命や健康を脅かすようなできごとが発生していること、事故の要因として、乳児から家族が目を離している場面、入浴用品の不適切な使用、乳児の発達や事故予防などに関する家族の認識不足、環境に関連するものがあったことなどを明らかにした。実態調査については、倫理審査委員会申請・承認後、保健センター1か所での3~4か月と1歳6か月の健康診査で質問紙を配布した。3~4か月健康診査に来所した母親と家族318人に質問紙を配布し、170人から回答が得られた。また、1歳6か月健康診査に来所した母親と家族679人に質問紙を配布し、304人から回答が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度において、本研究の第1段階である「家族の沐浴・入浴の危険な体験に関する実態調査」を行うことを計画していた。新型コロナウイルス感染症影響による、乳児の健康診査の中止等はあったが、年度内に調査を終了し、分析に入ることができたため、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、実態調査の結果を論文投稿や学会発表によって公表する予定である。また、実態調査の結果をもとに教材であるデジタルコンテンツを作成し、その適切性を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
情報収集のために国内外の学会への参加を予定していた。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で、学会が中止、またはオンラインでの開催となったため、旅費での使用がなかった。 次年度は、実態調査の結果公表にかかる費用、および教材のデジタルコンテンツを作成するための撮影機器や映像編集ソフト、作成した教材の適切性を検討するための質問紙や対象者への謝金などに使用する予定である。
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Research Products
(1 results)