2023 Fiscal Year Annual Research Report
足趾の力ベクトルに着目した外反母趾者に対する新たな歩行評価システムの開発
Project/Area Number |
20K19153
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Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
有末 伊織 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 講師 (60735520)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 足趾 / 力ベクトル / 外反母趾 / 歩行 |
Outline of Annual Research Achievements |
外反母趾者に対して適切な指導を行うためには、外反母趾者における歩行時の足趾や中足骨頭で床を押す力ベクトルの前後成分と鉛直成分に着目した歩行分析方法を検討する必要があった。 令和2年度~令和4年度では、新型コロナウィルス感染症によって、対象者の長時間の拘束を避けたり、計測自体を延期とするなどの影響を受けながら、外反母趾を有した女性を含めた対象者の募集を進めた。そして、数名対象者の足型に合わせた履物の作製を行い、歩行時の足趾や中足骨頭の前後成分と鉛直成分の力ベクトルを計測するために必要な計測機器(小型3軸力覚センサ)や足部の動きを計測する加速度計の同期や設置位置を検討した。しかし、新型コロナウィルス感染症による影響や対象者の事情により、計測の制限や対象者との計測日程の調整ができず、計測データを得ることができなかった。また、新型コロナウィルス感染症の影響は減少した際、計測機器の無線通信の不具合により、計測ができなかったため、限られた期間ではあるが、歩行が可能である軽度な外反母趾者の若年成人女性数名を対象とし,歩行時に足趾や中足骨頭が前後方向や鉛直方向に押す力ベクトルの計測に努めた。 令和5年度中で、外反母趾者における足趾で床を押す力ベクトルによる新たな歩行分析方法を提案するまでには至らなかったが、定常歩行区間の前後左右方向成分においては、相関係数のばらつきはあるが、健常者の結果と類似した波形を示した。また、母趾と第5中足骨頭で外反角が大きい対象者において、前後方向成分および鉛直方向成分がピークとなるタイミングが遅くなる傾向がみられた。 本研究より、足趾で床を押す力ベクトルに着目した計測方法は、外反母趾者であっても計測が可能であり、歩行分析に活用できる可能性があるという知見を得た。
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