2020 Fiscal Year Research-status Report
A Study on Lessons to Develop Sensitivity to Bioethics in Basic Nursing Education
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20K19154
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Research Institution | Hyogo University |
Principal Investigator |
根本 順子 兵庫大学, 看護学部, 准教授 (00826258)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 看護基礎教育 / 生命倫理 / 感受性 / 小児看護 / p4c |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、現在の看護基礎教育において、生命倫理に関する教育の機会とその教授方法が十分なものであるのか、看護基礎教育への「対話による探求の授業」と呼ばれるp4c(philosophy for children:子どもの哲学)の導入が、生命倫理に関する感受性を育む教育方法として適応するのではないか、という2つの問いを探求するものである。この1年間の主な研究業績は次の4点が挙げられる。 ①看護基礎教育におけるp4c導入の意義について改めて文献調査を行い、看護教育研究学会で発表した。 ②生命倫理に関する問題について文献を調査し、アリシアウーレットの著書である「生命倫理学と障害学の対話ー障害を排除しない生命倫理へ」の書評を執筆し、兵庫大学論集に投稿し掲載された。 ③上記書籍の分析から「ケア」について考察し「生命倫理学と『ケア』に関する一考察」と題し日本臨床教育学会で発表した。 ④コロナ禍における臨地実習の代替実習にp4cの要素の一部を取り入れるという実践的取り組みを行った。その結果、学生に自らの問いを探求する姿勢がみられたことを、「p4cの要素を取り入れた倫理カンファレンスの取り組み」と題して武庫川臨床教育学会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年春よりコロナ禍にあり、他県への移動が制限されたことなどの影響を受け、予定していた調査や視察の実施が不可能となった。また大学の小児看護学領域の教員へのアンケートを予定していたが、倫理審査の申請段階であるなど、初期の研究計画と比して少し遅れが生じている。 しかし、文献調査を行い現在の看護基礎教育における生命倫理教育の傾向と課題について把握することができた。加えて、生命倫理学と障害学に関する海外の文献を検討し、知見を深めることができた。 そのため、少々の遅れは生じているが、ほぼ順調に計画を遂行することができていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、看護基礎教育において生命倫理に関する感受性を高めるために、p4cの導入が有効であるか、または導入は可能かを考察することである。これまでは、看護教育に関する文献研究を行ってきたが、今後は教育学分野で導入されているp4cに関しても、より深く知る必要がある。 新型コロナウイルス感染症拡大の状況を判断しながら、早期にp4c実践の視察と調査を行い、看護基礎教育への導入の可能性とその効果について考察したいと考えている。
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Causes of Carryover |
コロナ禍における行動制限の影響を受けて、p4cに関する実地調査と視察を行うことができなかった。また、感染予防の観点から業務委託も困難な状況があり、助成金の使用項目に変更が生じた。 新型コロナ感染症拡大状況を判断しつつ、初期に計画していた調査を行うために、助成金を使用したいと考えている。
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