2021 Fiscal Year Research-status Report
妊娠期から地域で乳児スキンケアを継続支援する有効性についての検証
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20K19155
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Research Institution | Kansai University of Social Welfare |
Principal Investigator |
飯田 直美 関西福祉大学, 看護学部, 助教 (40764890)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 地域 / 乳児のスキンケア / 母親 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域で妊娠期から乳児スキンケアを継続支援することで、乳児の皮膚トラブル発症を低減し、母親の児への愛着形成を促進を図ることを目的とする。2020年度から、作成したパンフレットを用いて妊娠中の女性へ指導を開始し、出産後に乳児の皮膚の状態および母親の乳児への愛着状況について縦断調査を行う予定であった。しかし、新型コロナウィルス感染の影響により、調査開始が難しい状況が続いた。2021年度は、感染状況をふまえた上で、作成したパンフレットを用いて予備調査を開始した。産後3ヵ月頃の母親数名へ指導およびその評価として予備調査を行った後、感染拡大が認められたため、やむを得ず調査を一時休止した。 予備調査において、ある地域に居住する母親を対象に、乳児のスキンケア指導を行った。その結果、コロナ禍のため産院から新生児の母親以外の家族が、沐浴指導を受けることができなかった現状が明らかとなった。予備調査に参加したすべての母親は、沐浴指導について夫に参加してもらいたいと希望していた。しかし、産院における感染予防対策および仕事などの状況により参加できていなかった。乳児を養育する母親は、妊娠中から夫に育児技術習得提供の場への参加を希望しており、支援提供の場を求めていることが明らかとなった。以上の結果をもとに、2022年度は妊娠中の女性およびそのご家族を対象に、支援方法を再検討し研究協力の募集を行う。また、継続支援およびその評価として、生後4,8,12ヵ月に調査を実施していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍において、指導場所である地域子育て拠点が一時的に使用不可となった。また、2021年度は研究調査の地域においても感染拡大が認められ、地域における母子への支援提供が困難な状況となった。よって、研究対象者である妊娠中の女性および家族に対し、継続的な支援を行うことが困難であり、研究の進捗状況が遅れている現状である。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、調査対象となる地域の母親が抱く乳児のスキンケアをふまえた指導を実践していく予定である。そのため、指導案の見直しを現在行っている。地域における妊娠期からの継続支援が本研究の根幹であり、その支援方法およびその評価等を再検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
2021年度は、地域における乳児のスキンケア指導を行い、経皮水分蒸散量(TEWL)を測定器を使用し、評価予定であった。しかし、コロナ感染状況が続く中で、地域における母親および乳児への継続支援が困難であった。そのような社会情勢により、乳児のスキンケア指導の評価を行うために必要な対象者が得られないと判断した。2022年度以降もコロナ感染症への予防対策は求められると考えられ、乳児のスキンケア支援における客観的評価に必要である皮膚測定器の購入を行わなかった。よって、前年度の使用額が繰り越されたため請求した助成金との差額が生じた。今後、乳児のスキンケア支援方法および評価方法を再検討していく。
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