2022 Fiscal Year Research-status Report
妊娠期から地域で乳児スキンケアを継続支援する有効性についての検証
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20K19155
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Research Institution | Kansai University of Social Welfare |
Principal Investigator |
飯田 直美 関西福祉大学, 看護学部, 助教 (40764890)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 乳児 / スキンケア |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、乳児の効果的なスキンケア方法を明らかにするため、評価指標である経皮水分蒸散量測定について文献レビューを行った。対象文献は2009年から2020年に発表されており、実施国はドイツ4件,イギリス2件,アメリカおよび日本が1件ずつの計8件であった。生後1時間未満の新生児から生後9ヵ月の乳児を対象に、無作為ランダム化試験により、洗浄方法,保湿剤使用の有無や種類,およびおむつ部位のスキンケアについて検討されていた。経皮水分蒸散量測定に使用されていた器機は3種類であり、開放型チャンバー法4台,コンデンサーチャンバー法2台,閉鎖型チャンバー法1台であった。経皮水分蒸散量測定におけるガイドラインにおいて、室温,湿度の環境下に順応時間を設け、少なくとも10分間は測定部位を外気にさらすという条件が推奨されている。しかし、すべての文献においてその条件を十分に満たされてはいなかった。乳児のスキンケア方法において、統一した条件下で測定して評価することは難しいことが明らかとなった。 また、地域における母親への乳児スキンケア指導への示唆を得るため、小都市(年間出生数約100人)に住む、乳児を育てている母親28名を対象とした調査結果の分析に取り組んだ。その結果、乳児1名のみ育てている母親と、乳児を含む複数の子どもを育てている母親ではスキンケア方法について異なる傾向が明らかとなった。また、実施者において母親よりも父親の方が実施していると回答している人が多かった。よって、母親だけでなく父親への乳児スキンケア指導の必要性があると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2019年度からのコロナウイルス感染症拡大により、地域における母子への保健指導を行う機会が制限された。よって、研究計画の変更が余儀なくされ、研究の方策を再考するための時間を要したためである。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、地域における育児中の父親を対象とした身近な支援が喫緊の課題である。よって、乳児を養育している父親を対象に、乳児のスキンケア方法および困難な内容について調査を予定している。調査結果をもとに、乳児のスキンケア指導における支援方法の検討およびその効果について取り組む予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症拡大により、研究計画について再検討を行う必要性が生じた。そのため、研究期間を延長とした。2023年度は、父親を対象とした乳児の保清についての現状および援助の困難感を調査する。その調査結果をもとに、乳児のスキンケア指導におけるパンフレット作成および地域における継続的な指導方法を検討する。また、その指導効果において分析を行うために経費使用を計画している。
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