2023 Fiscal Year Research-status Report
妊娠期から地域で乳児スキンケアを継続支援する有効性についての検証
Project/Area Number |
20K19155
|
Research Institution | Kansai University of Social Welfare |
Principal Investigator |
飯田 直美 関西福祉大学, 看護学部, 助教 (40764890)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 乳児 / スキンケア |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、乳児を養育する父親を対象とした、乳児の入浴実施状況および入浴方法における困難感を明らかにするため、web調査を行った。 調査内容は基本属性と、入浴に伴う行動を5項目(物品準備、体を洗う、お湯につける、衣服の着脱、移動)とし、各項目について困難感を「とても難しい」,「少し難しい」,「あまり難しくない」,「まったく難しくない」の4段階でたずねた。体を洗うにおける項目のみ、体の部位別(髪,顔,胸,お腹,手,足,陰部,おしり,背中)でたずねた。 400名に対してアンケートを実施し、373名から有効回答を得た。乳児の入浴実施状況について、まったく行っていないと回答したのは10名(2.7%)のみであった。その10名は産前の沐浴指導受講をしていなかった。週5回以上実施していると回答したのは233名(56.5%)で最も多く、そのうち産前に沐浴指導の受講していたと回答したのは162名(69.5%)であった。入浴における困難感について、最も困難感が高かったのは「顔を洗う」であり、次いで「衣服の着脱」であった。乳児の月齢,出生順位と困難感との関連はみられず、父親の産前の沐浴指導受講有無のみ有意差がみられた。産前の沐浴指導受講有りの父親の方が、すべての入浴に対する行動の困難感は高かった。父親が乳児の入浴実施時において、支援者がいると回答したのは338名(93.1%)であり、支援者の内訳として妻と回答したのは326名(89.8%)であった。 乳児の入浴実施頻度が高い父親の方が、産前の沐浴指導を受講しており、入浴実施における項目について困難感が高い傾向が明らかとなった。また、父親が乳児の入浴実施時には支援を受けられる状況であり,その多くは妻であることがわかった。 今後、乳児を養育する母親を対象とした、乳児の入浴実施状況および入浴方法における困難感を明らかにする必要性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2019年度からのコロナウイルス感染拡大により、地域における母子への保健指導を行う機会が制限された。よって、研究計画の大幅な変更が余儀なくされ、研究方法を再考するために時間を要したためである。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の方策として、母親における乳児の入浴実施状況および困難感を明らかにしていく予定である。そして、これらの結果をもとに乳児のスキンケア指導への示唆を得た上で、地域における乳児スキンケアの支援方法を考えていく必要がある。
|
Causes of Carryover |
研究の進捗状況が遅れており、使用額が変更となった。2023年度アンケート調査結果を分析し、新たにアンケート調査を実施する上でweb調査を行う予定である。
|