2020 Fiscal Year Research-status Report
家族形成期における夫婦のパートナーシップを支援する両親学級の開発と評価
Project/Area Number |
20K19156
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
阿川 勇太 兵庫医療大学, 看護学部, 助教 (80846543)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 夫婦のパートナーシップ / 両親学級 / 介入研究 / 家族形成期 / 家族看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は家族形成期における夫婦のパートナーシップ支援に焦点をあてた両親学級プログラムの開発であり、そのプログラムを評価することである。 今年度は当初の予定通り、システマティックレビューと基礎的調査を行った。産前における夫婦のパートナーシップに関するレビューを試みたが、産前における夫婦のパートナーシップへの試みは主に不妊治療を受けている夫婦のパートナーシップを対象にした研究が多かったため、産前の介入についてクリニカルトライアルが行われている文献を対象にし、国内外の産前の教育的介入における効果のスコーピングレビューに切り替えた。結果としては現在産前における教育的介入には多くの種類があり、アウトカムもさまざまであることから、産前における介入の意義はまだ科学的には強く立証できていないことが明らかとなった。その中でも夫婦に対するトライアルもあったが未だ効果のあったものは見られていなかった。幾つかの文献では夫婦のパートナーシップを高める支援の重要性が言われていたため、本研究の重要性と意義が改めて認識された。 基礎的調査では産後1年以内の父親及び母親へのインタビュー、及び支援者へのインタビューを行った。産後1年間の夫婦にはそれぞれ「どのような産前学習の機会に参加したか。またそれがどう役立ったか」などを確認した。支援者には「夫婦のパートナーシップを支援する両親教育に必要だと思うプログラム」について実際に支援しているものやこれから必要だと思われるものをインタビューした。それぞれから出てきた結果を分析し、統合した結果、基本的に父親や母親が「学んでおきたかった」と思っていることに対して、支援者らの実践がそのニーズに応える形となっていた。この結果を踏まえ、プログラムの開発を次年度行っていく。 なお、フィンランドの調査については新型コロナウイルスの状況により、オンラインで実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は新型コロナウイルスの影響により、基礎的調査の計画変更が数回行われたため、スタート時期は遅れたのだが、オンラインをうまく活用できたためにスムーズに調査を進めることができた。次年度も新型コロナウイルスによる影響が懸念されるが、プログラムの開発及び介入研究について状況を鑑みながら実施していきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、予定通りプログラムの開発及び実施を行なっていきたい。新型コロナウイルスの影響を考慮しながら、現在協力可能な自治体との交渉を進めているが、今後新型コロナウイルスの感染拡大がさらに進んだ場合は、オンラインでのプログラムも視野に入れながら検討していく必要がある。状況に応じて進めていきたい。 また今年度の研究成果のまとめを現在プログラムの開発と並行して行なっているので、次年度中にそれぞれの成果を学術誌に投稿していきたい。
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Causes of Carryover |
当初はフィンランドに調査しにいく予定であったが、新型コロナウイルスの影響により渡航が困難になった。それによりオンラインでのインタビュー調査を海外との研究補助業者を活用して行なった。旅費よりも研究補助の業務委託費が安かったため、その差額分が次年度使用額に含まれている。これについては現在追加で概念分析のインタビュー調査を行っているため、その費用に当てたい。 また、インタビューが遅れたことにより、謝金の受領書が全て回収できていないため、次年度当初にそろった段階で請求を行う予定である。
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