2020 Fiscal Year Research-status Report
深睡眠の減少は妊娠高血圧症候群発症の予測因子になるか
Project/Area Number |
20K19159
|
Research Institution | Junshin Gakuen University |
Principal Investigator |
浦 みどり 純真学園大学, 検査科学科, 講師 (50826089)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 睡眠 / ウェアラブルデバイス / 健常人 / 大学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ハイリスク妊婦を対象に妊娠高血圧症候群と睡眠の質との関連を明らかにすることを主たる目的として計画したが、新型コロナウイルスによる社会情勢の変化により、ハイリスク患者を含む妊婦を対象とする臨床研究が困難となった。また当初の計画では、睡眠検査に用いる機器類を被検者間で使いまわす予定であったため、感染のリスクのほか、被検者心理として不安や躊躇が生じる可能性があり、これらの点について最大限の配慮が必要な状況となった。 そこで、従来の計画と比べ感染リスクが低くなるよう、一部の検査機器の使用を取りやめ、安全性を担保することを最優先に研究計画を修正した。 この状況は今後も続く可能性があり、より安全で簡便、且つ安価な方法で睡眠状態のデータを取得したい。この理想を実現できる可能性のあるツールとして、近年登場したウェアラブルデバイスが挙げられる。比較的安価で入手できる上、個人で使用するため感染リスクは無く、また常に身につけるため、睡眠時間や睡眠の質のほか、歩数、消費カロリー、心拍数など、日常の健康状態についても連続記録が可能である。 これらのパラメータを活用することで、新しい生活様式に見合った方法で当初の研究目的が達成できるかどうかを調べるために、第一にウェアラブルデバイスの睡眠指標と従来の睡眠検査機器による指標との相関を取り、ウェアラブルデバイスの基礎データを取得することを目的として研究計画を変更した。 コロナ禍において研究計画の変更は止むを得ないが、本研究の基礎データは、新型コロナウイルスの感染拡大が収束した際には、妊婦を対象に、より安全性が高く、簡便且つ安価な方法で妊婦の睡眠状態をモニタリングし、体調の変化の早期発見や妊娠高血圧症候群などの合併症の予測などに繋がる可能性があると考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスによる社会情勢の変化により、ハイリスク患者を含む妊婦を対象とする臨床研究が困難となり、当初の予定に沿った研究を開始出来る目処が立たなかったことが大幅な遅れを招いているが、現在は研究計画の見直しが大詰めにきている。 当初の計画と比較して、より安全性が高くなるよう被験者を患者から健常な大学生に変更した。また可能な限り感染リスクが低くなるよう、一部の検査機器の使用を取りやめた。特に睡眠検査に必要な鼻カニュラは使い捨てであるが、呼吸器を介する検査機器の使用を避け、また使い捨て電極を用いた脳波計は、睡眠中にリード線が顔に接触した状態になる可能性があるため使用を取り止め、感染リスクの低減とともに、被験者の研究参加に対する不安を払拭するよう、機器類の使いまわしも極力避けることで安全性を担保し、使用する機器類を個人で使用するウェアラブルデバイスに選定しなおした。
|
Strategy for Future Research Activity |
修正した研究計画に基づき、6月に学内で倫理審査を受ける予定である。また、ウェアラブルデバイスを含め、実際の機器類を用いて数名の被検者によるパイロットスタディを実施し、研究全般に問題がないかを確認の上、研究計画に変更や問題がなかった場合は、パイロットスタディにおける被験者データも解析に含める予定である。
6月:学内倫理審査およびパイロットスタディ開始、7月~9月:ボランティアを募り被験者決定、10月~3月:データ収集と研究計画の見直しを経て、問題がなければデータ収集を9月頃まで継続し、その後データ解析を行い、2022年度中の学会発表を目指す。
|
Causes of Carryover |
当該年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、計画通りの研究は一切実施できなかったため次年度使用額が生じた。 使用計画は、今年度は研究開始に向けて腕時計型ウェアラブルデバイス、および睡眠検査機器など必要な物品を購入し研究をスタートさせ、来年度は研究成果を学会で発表、さらに再来年度は論文発表を目指すための費用を計上している。
|