2020 Fiscal Year Research-status Report
Systematization of Life-Focused Literacy for Predicting the Difficulties with Parents in Struggle with Their Children's Cancer
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20K19163
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
入江 亘 東北大学, 医学系研究科, 助教 (60757649)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ヘルスリテラシー / 入院生活 / 家族 / Precision health |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は診断初期の小児がんの子どもをもつ親やがん患者の介護者に向けて作成された,閲覧可能なホームページやインターネット上に公開されている資料から,子どもの入院中における家族の生活や子どもへのケアに関して記述されている内容の調査を行った。複数の検索エンジンを用い,小児がんの子どもをもつ親に関するキーワードの検索で表示された上位100サイトから抽出した。小児がん全体を対象にした14資料と特定の疾患を対象にした22資料の計36資料に対して,小児がん看護ケアガイドライン2018の章立てを参考に設定した21項目の記載状況を整理した。 小児がん全体を対象にした14資料で記載割合が60%を超えた項目は,「きょうだいや周囲(学校等)の人への説明や影響」で10件(71%),「疾患と治療の基礎知識」,「子どもの体験と子どもへの説明」,「療養中の子どもと家族の生活」,「医療費や経済面」,「相談窓口やリソース」で9件(64%)だった。疾患特有の内容を含めた全ての資料で記載割合の高かった項目は「疾患と治療の基礎知識」で29件(81%),「医療費や経済面」で16件(44%),「検査・処置」で15件(42%)であった。全資料で記載割合が低かった項目としては,「抗がん剤の曝露対策」0件(0%),「思春期・青年期の子どもへの配慮」3件(8%),「臨床試験」,「情報の扱い方」4件(11%),「退院・移行支援」5件(14%)だった。入院中の小児がんの子どもをもつ家族の生活に関して,どのような情報提供の視点が不足しているのかを,多くの家族が閲覧するインターネットという観点から整理することができた。また,家族からみた入院生活に関する情報のアンメットニーズを把握するための質問紙調査について,研究デザインを洗練させ,年度内に倫理委員会からの承認を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査期間や協力者との調整に時間を要したため,家族への調査実施には至らなかったが,次年度の実施に向けて進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
①2020年度の成果の学術集会での報告とともに,家族からみた入院生活に関する情報のアンメットニーズを把握するための調査を進める。 ②医療者と家族へのインタビュー調査を計画・実施し,子どものがん罹患によって家族にどのような「生活の変化」や「生活上のマネジメント」が生じているか,その際の障壁と情報の入手方法,対処方法,対処における工夫点を洗練する。 ③次々年度の家族向けの生活焦点型リテラシー向上を目指した資料作成に向け,作成メンバーと内容妥当性,使用可能性評価の具体的な方法について議論を進めておく。
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Causes of Carryover |
年度内に予定していた調査に準備を要し,次年度の実施となったことで,データ入力や謝金等の経費の使用が次年度にずれ込むため。次年度は調査実施およびデータ解析を進めていく。
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Research Products
(3 results)